(演習科目の一部を紹介しています)

2022年度


2022年度はダリン・テネフ招聘教授も参加して、濃密な一年間となった。テネフ先生の尽力に心より感謝いたします。

前期水5・大学院ゼミ「20世紀の思想・文学を読む」


 本演習では、20世紀の代表的な思想家・文学者を取り上げ、毎回テーマごとに主要なテクストの抜粋を読んでいく。招聘教授ダリン・テネフも出席するジョイント・セミナー。
 ゼミは2部構成で、通常ゼミ16.20-17.50、アフターゼミ(AS)18.30-20.00の予定。ただし時間編成は不規則。おもに通常ゼミは日本語で実施して主題的演習、アフターはフランス語テクストの精読。

4月13日【公開セミナー】「ロシアのウクライナ侵攻を語る会」
対話者:ダリン・テネフ(ブルガリア、ソフィア大学/東京都立大学・招聘教授)、前田弘毅(東京都立大学、西アジア・コーカサス史研究)、西山雄二
20日【論文執筆ガイダンス】西山雄二「偽誓の薄明の方へ――ジャック・デリダ『偽誓と赦しI』を読む」(『Suppléments』No. 1)
AS:Barbara Cassin, Plus d’une langue, Bayard, 2012.(小学生向けの講演会。フランス語初級を終えた方から参加可能)
AAS:フランス語発音特訓
27日【論文執筆ガイダンス】ダリン・テネフ「デリダにおける贈与と交換」、『人文学報』511号、2015年。
AS:Barbara Cassin, Plus d’une langue, Bayard, 2012.(小学生向けの講演会。フランス語初級を終えた方から参加可能)
AAS:フランス語発音特訓
5月11日 学生発表:バタイユ
AS:Barbara Cassin, Plus d’une langue, Bayard, 2012.(小学生向けの講演会。フランス語初級を終えた方から参加可能)
AAS:フランス語発音特訓
18日【公開セミナー】カトリーヌ・マラブー新刊『泥棒! アナーキズムと哲学』を読む
25日 『現代思想2022年5月号 特集=インターセクショナリティを読む』(4/28刊行)、パトリシア・ヒル・コリンズ、スルマ・ビルゲ『インターセクショナリティ』合評
AS:Barbara Cassin, Plus d’une langue, Bayard, 2012.
ASS:フランス語発音特訓
6月1日 院生発表:デリダ『滞留』〜出来事と証言
AS:【最終回】Barbara Cassin, Plus d’une langue, Bayard, 2012.
ASS:【最終回】フランス語発音特訓
8日 サルトル『文学とは何か』第1章を読む
AS:通訳の理論と実践
15日 サルトル『文学とは何か』第2章を読む
AS:英語通訳の練習
29日 ラカン「ファロスの意味作用」を読む
7月6日 院生発表:ジュネ『花のノートルダム』
AS:ルモンド記事「いつしがみつくのをやめるのか」
13日 院生発表:ジュネ『花のノートルダム』
AS:監訳作業の手ほどき
20日 ジャン=リュック・ナンシーのヨーロッパ論「Euryopa 遠くへの眼差し」を読む

後期月4・学部ゼミ「現代思想と社会」


1960 年代以後、ヨーロッパの現代思想は、従来の哲学の枠組みにとどまることなく、文学、政治、芸術、経済、精神分析といったいくつもの領域を横断しながら展開されてきた。本講義では、そうした多様な現代思想を理解するために、各回で(主にフランスの)思想家を取り上げて、そのテクストをキーワード(主に政治、社会に関連するもの)ごとに読み解く。

1.ガイダンス
【ポストモダン】ジャン=フランソワ・リオタール『こどもたちに語るポストモダン』
2.【疫病】文献未定
3.【死】ジャンケレヴィッチ『死』
4.【ケア】文献未定
5.【ジェンダー】カトリーヌ・マラブー『抹消された快楽 クリトリスと思考』
6.【動物】ジョルジョ・アガンベン『開かれ――人間と動物』
7.【植物】エマヌエーレ・コッチャ『植物の生の哲学』
8.【人新世】クリストフ・ボヌイユ, ジャン=バティスト・フレソズ『人新世とは何か』
9.【教育】ジャック・ランシエール『無知な教師』
10.【技術】グレゴワール・シャマユー『ドローンの哲学』
11.【社会】リー・マッキンタイア『ポストトゥルース』
12.【社会】デイヴィッド・ライアン『パンデミック監視社会』
13.【政治】ジョルジュ・アガンベン『例外状態』
14.【政治】アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート『アセンブリ』

後期水5・学部大学院ゼミ「翻訳の理論と実践」


翻訳は太古の昔からの歴史があり、人間の言語が複数に分裂しているかぎり、翻訳は必要不可欠である。母語と外国語のあいだだけでなく、広義の翻訳は、自国語内での言葉の意味の変換(日本語の辞書では日本語で日本語の言葉を説明している)、記号と言語のあいだの変換(音やノイズがオノマトペで言語的に表現される)をも含む。翻訳の規範をめぐっては、逐語訳か意訳か、原文重視か訳文重視か、作者重視か読者重視か、といった議論が交わされてきた。1970年代から欧米では翻訳学(Translation Studies/traductologie)が展開されてきたが、日本の大学ではさほど浸透してはいない。本講義では、翻訳の理論を学ぶとともに、翻訳の実例分析や実践をおこなう。招聘教授ダリン・テネフも出席するジョイント・セミナー。

10月5日 翻訳論の概説
12日 Jiri Levy, Translation as A Decision Process
19日 ウエルベック『発言集』翻訳草稿の検討 with八木悠允
AS:テネフ「ブルガリアにおける言語モデルと文学研究をめぐる論争」
26日 ゲーテとシュライアーマハーの翻訳論
AS:院生発表:バタイユとヘーゲル
11月9日 ベンヤミン『翻訳者の使命』1
AS:テネフ「イメージと超越」翻訳草稿の検討
16日 ベンヤミン『翻訳者の使命』2 with金志成、越智雄磨
AS:院生発表:ジュネ『花のノートルダム』
12月7日 カッサン『ひとつ以上の言語』訳文検討
14日 院生発表:ラカン『転移』
21日 ベンヤミン『翻訳者の使命』3 with越智雄磨
22日 ジョイントセミナー「カミュ『異邦人』第二部(新潮文庫)を読む」@専修大学・宮﨑裕助ゼミ
1月11日 ベンヤミン『翻訳者の使命』4
18日 ベンヤミン『翻訳者の使命』5
25日 デリダ「バベルの塔」

(ジョイントセミナー@専修大学・宮﨑裕助ゼミ)

大学院生主催の読書会 
ダリン・テネフ参加 @西山雄二研究室
・ポール・ド・マン『理論への抵抗』大河内昌・富山太佳夫訳、国文社、1992年。
6月17日、6月24日
・ルドルフ・ガシェ『読むことのワイルド・カード』吉国浩哉・清水一浩・落合一樹訳、月曜社、2021年。
7月5日、7月8日、7月17日、7月29日
・モーリス・ブランショ『謎の男トマ 一九四一年初版』門間広明訳、月曜社、2014年
8月14日、8月20日、8月28日、12月4日、12月20日、12月27日、12月4日
・ジャック・ラカン『盗まれた手紙についてのセミネール』
11月18日、11月25日、12月2日、12月9日、12月16日