首都大学東京 理工学研究科分子物質化学専攻 生物化学研究室

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研究内容

概要

プロテオミクス研究室では、さまざまな立場や方向から行われている生命科学研究の一環として、生体を構成するタンパク質分子のダイナミクスとその反応を基礎にして、細胞の基本的な働きを支える「機能情報ネットワーク」を解き明かすための研究を進めています。

研究室の最大の特徴は、さまざまな生命現象を実際に担っている「生体のマイクロマシーン」であるタンパク質分子を、直接多次元液体クロマトグラフィーや最新の質量分析法などを用いて超高感度で包括的に解析する「プロテオーム研究」で、この分野の研究では国際的に最先端の評価を受けています。「プロテオーム」とは、ある条件化で機能している遺伝子が作るタンパク質全体のことで、その構成と相互作用のダイナミクスを包括的に解析していく方法論が「プ ロテオーム解析法」です。

20世紀末から21世紀にかけて、ヒトをはじめとする各種生物の設計図といえるゲノム情報の全貌が次々に明らかにされ、「生物はいかにして生命の営みを行っているか」という生命科学の最も基本的な問題に対する挑戦が世界的な規模で始まっていますが、このような「ポストゲノム研究」の中心として期待されるのがプロテオーム解析です。

プロテオミクス研究室は、プロテオーム研究または「プロテオミクス」と呼ばれる新しい生命科学の領域で、最新の質量分析法などを駆使した最先端技術を開発すると同時に、これらの方法を生化学や分子生物学の方法と組み合わせることで、細胞の基本的な働きとその異常を、タンパク質を中心とする生体分子の相互作用の結果として「分子の言葉」で理解することを目標としています。さらに最近では、タンパク質遺伝子をコードしないゲノムの領域に由来する「non-coding RNA」とタンパク質の相互作用によって形成される複合体(ribonucleoprotein complex: RNP)の構造と機能、ならびにその異常に起因するRNA代謝異常症の解析に焦点を絞った研究を進めています。

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