研究プロジェクト
研究プロジェクト
RNA代謝異常症のリボヌクレオプロテオミクス解析と構造生命科学への展開
CREST
この研究では、私たちが開発した世界初の RNA の質量分析技術とプロテオミクスを融合したRNAとタンパク質の相互作用解析法を高度化し、RNAの代謝異常に起因するヒトの難治性疾患の原因タンパク質とRNAが形成する複合体の解析に応用することで、その細胞内での役割や病理との繋がりを解析します。この研究は、RNAとタンパク質の相互作用が織りなす生命活動の解析に新たな手段を提供するとともに、RNA代謝異常症の原因の解明から治療薬の開発に繋がる構造生命科学研究に新しい展開をもたらすことを目指しています。
共同研究者 東京農工大学 教授 高橋 信弘
首都大学東京 准教授 田岡 万悟
理化学研究所 専任研究員 中山 洋ほか
CREST領域URL:ライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基盤技術(研究総括 田中啓二 東京都総合医学研究所 所長)
参照HP:http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah24-3.html
世界で唯一のゲノム指向型RNA検索ソフトウェア「Ariadne」:ゲノムDBを参照することでRNAの質量分析情報から目的のRNAを同定し化学構造を解析できます。
(CREST, 理化学研究所 中山 洋専任研究員)
参照HP:http://ariadne.riken.jp/index.html
RNA 代謝解析のための質量分析プラットフォームの開発(平成19-24年度)
CREST
近年、低分子のRNA代謝物とタンパク質の複合体が生体内で重
要な働きをしていること
が明らかにされています。本研究では、最新の質量分析法を駆使し
た包括的なRNA解析
のプラットフォームを開発し、生体内に存在する低分子RNAの
実態を明らかにするとと
もに、RNA/タンパク質複合体の解析技術を確立することで、
プロテオミクスと低分
子RNA研究が融合した細胞機能ネットワーク解析の基盤作りを
目指しています。
参照HP:http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/ryoikiarchive/cellmetabo/ja/subject/18index.html
リボヌクレオプロテオミクス研究に向けたLC-MS システムの開発
詳しくはこちらをクリックして下さい。
RNAの質量分析データ解析システム
Ariadne は生体から分離した RNA の質量分析データからゲノムデータベースを検索して目的の RNA を同定し、転写後修飾を含む化学構造を精密に 解析できる世界で初めてのデータベース検索エンジンです。
疾病バイオマーカーの探索
東京都アジア人材育成基金による高度研究(平成21-26年度)
高度医療開発に向けたプロテオミクス基盤技術の創生
高齢化社会における医療の問題は、首都東京をはじめ欧米やアジアの大都市にも共通する大きな社会問題として早急な解決が求められています。そこで注目されるのが、ガンをはじめとするさまざまな疾病を早期に診断できるバイオマーカー(注:例えばガンの細胞だけが作り出すタンパク質や糖などの物質で、診断の指標として使うもの)を発見し、効果的な治療を実現する先端的な高度医療技術の開発です。疾病の予防法や新規の医薬品開発を含むこうした技術の開発は、高齢化社会の医療費全体の削減をもたらし、都民が安心して健康に暮らせる生活を保障する社会的基盤として重要です。
この研究では、本学が東京都立大学の時代から50年以上にわたって培ってきたタンパク質研究(プロテオミクス)の資産と豊かな人材を結集することで、バイオマーカー探索のための先端技術を開発するとともに、アジアを含む国際的なプロテオミクスの中核的な研究拠点形成を目指しています。また、こうした環境の中にアジアからの留学生を受け入れ、21世紀のアジアを担う優秀な人材の育成を目指しています。
この研究は、首都大学東京の理工学研究科に所属する4名の教員(礒辺俊明、伊藤 隆・三島正規・田岡万悟)と、3年前に学内に新設された戦略研究センターに所属する2名の教員(甲斐荘正恒・池 ラ求)の共同研究によって進められています。この中で、礒辺と田岡は質量分析法と呼ばれる「ゲノム科学」の最先端技術によって、正常な組織には存在しない、ガンの組織や細胞だけが作り出す超微量のタンパク質(バイオマーカー)を探し出す方法の開発を目標としています。甲斐荘、伊藤、三島、池は、いずれも核磁気共鳴法(NMR法)と呼ばれるタンパク質の構造解析法の専門家で、バイオマーカーとして見出されたタンパク質や病気の原因となるタンパク質の構造と機能(働き)の関係や、医薬品候補化合物などとの反応を詳しく解析する方法の開発を目指しています。この研究は5年間の期限となっていますが、それぞれの教員が分担する研究を効率よく推進することで、医療に関する首都東京の課題解決に向けた基礎的な成果とともに、次世代を担うアジアの人材育成に貢献することを目指しています。
東京都のアジア人材育成基金
参照HP:http://www.asianhumannet.org/index.html
マウスES細胞の分化調整機構に関する機能プロテオミクス研究(平成18-20年度)
日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究A
糖鎖エンジニアリングプロジェクト(平成15-17年度)
新エネルギー産業技術総合開発機構
遺伝子発現及び機能情報解析のための次世代プロテオーム解析システムの開発
(平成12-16年度)
文部科学省 科学技術振興調整費ゲノムフロンティア開拓研究
参考著書
プロテオーム解析法
タンパク質発現・機能解析の先端技術とゲノム医学・創薬研究
礒辺俊明・高橋信弘/編
B5判 283ページ ISBN 4897069335
2000/06発行 定価 5670円
注目のプロテオミクスの全貌を知る!
最新手法とその応用成果
礒辺俊明・高橋信弘/編
B5判 242ページ ISBN 4897063523
2002/12発行 定価 5775円
決定版! プロテオーム解析マニュアル
発現解析・機能解析の最新プロトコールからデータ整理,トラブル対処法まで
礒辺俊明・高橋信弘/編
B5判 281ページ ISBN 4897064155
2004/03発行 定価 6510円
プロテオミクス ゲノム配列からタンパク質の機能解析へ
PROTEOMICS: From Protein Sequence to Function
編集/ S.R. Pennington, M. J. Dunn
礒辺俊明/監訳 梶裕之・宮島郁子訳
B5判 242ページ ISBN 4897063523
2002/12発行 定価 5775円
Proteomics Biology Using LC-MS
Large Scale Analysis of Cellular Dynamics and Function
礒辺俊明・高橋信弘/編
ハードカバー 245ページ ISBN978-0-471-66258-7
2007/11発行 定価 US$79.95
Willy社 : http://as.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-0471662585.html
分子間相互作用解析ハンドブック
タンパク質とタンパク質・核酸・糖・低分子間のネットワーク解析
礒辺俊明・中山敬一・伊藤隆司/編集
B5判 287ページ ISBN 9784758101707
2007/9発行 定価 7245円