概要:学外体験型教育教育プロジェクトとは
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背景
かつて、東京都教育委員会主催の「伊豆諸島文化財綜合調査」の一環として、1957~58年、当時の都立大社会人類学教室を中心に伊豆諸島の調査が実施されたが(成果=『伊豆諸島-世代・祭祀・村落』、1975年、未来社刊)、70年代にも同教室は調査を実施し報告書を刊行。その後も本学では、一部の学部・学科で野外実習・巡検・学外セミナー等が継続的に実施されてきた。伊豆大島では、1998年度以降「発生生物学臨海実習」(生命科学)が開講され、これまで延べ500人/日以上が受講している。また2006年度は、生命科学コースの他、社会人類学教室の調査実習やOUによる野外講座などが試行された。大島にある都や大島町関連機関、中学、高校等とは、すでに各種の共同事業が推進される等の連携が図られており、本研究企画の教育プログラム実施に当っても協力体制が整っている。大島の自然環境、火山学等に関わる自然科学研究や、社会人類学、言語学、考古学等の人文科学研究は、多くの先行研究に我々自身による経年的研究成果を併せて、充分に野外教育の現場として用いるだけの実績をすでに蓄積している。
島民を対象としたものとして、都立大学では1983年度から15年間に亘る研究成果の還元を図るという趣旨で「東京都立大学島嶼公開講演会」を大島ほか伊豆諸島、小笠原において年2箇所で実施してきた実績がある。また、2005年10月には東京都水産海洋研究推進プロジェクトの一環として大島町と共催で「海の恵み」大島シンポジウムを開催し、110余名の島民参加者を集めた。また、2007年3月には、OUの公開講演会が大島町と共催で開催した。島民の教育研究に対する関心も高く、本研究が目指す社会人教育を含む教育プログラムの拠点として、大島その他が最適地だといえる。