2018春 自然と社会と文化@伊豆大島
日程:2018年2月12日〜2月15日3泊4日(含む船内1泊)
時間:
場所:伊豆大島
自然と社会と文化@伊豆大島
受講生:21名、スチューデントアシスタント2名、留学生2名
教員5名(放射線:関根紀夫、数学:小林正典、社会人類:深山直子、生命科学:可知直毅、生命科学:黒川信)
実施アシスタント1名(近藤日名子)
現地講師1名(中林利郎)
【概要/目的】
東京都の伊豆諸島の伊豆大島に大型船(さるびあ丸)で渡り、その自然と社会と文化を学ぶ。伊豆大島は、独自の自然、社会、文化がみられます。今回の講座では、今までの講座の要素に加えて、「伊豆大島の魅力」を新たに試行しました。2回の事前授業で、大島公園コースと波浮港コースの班で受講生を分け、事前にその魅力を調べ、どう行動するかについて考えました。
本講座では、現地で体験や経験を共有し、そのことについて受講生同士で議論する機会を与えることで、自らの経験にもとづいて現場から問題を発見し、さらにそれを外に発信し、具体的な問題解決につなげていく能力を涵養することを目的としました。
【内容】
12/5 第一回事前授業(学内)
1/9 第二回事前授業(学内)
2月12日
オリエンテーション(竹芝桟橋集合)
(相互理解のためのゲームを含む)2月13日
伊豆大島 岡田港到着大島の魅力
伊豆大島の魅力を川島理史元町長にお話ししていただきました。
朝 御神火温泉にて休憩、朝食、訪問先発表
その日に訪れる場所を自分で事前に調べた内容をもとに、みんなの前で発表します。地層大切断面
大島の歴史を目で見ることができます。そこには、100層以上の地層が見られ、1層が100年~150年にあたる噴火の歴史です。15000年近い歴史を見ることができます。層によっての違いなどを地元の講師、中林先生にご案内していただきます。海の精 大島製塩所千波工場
海と生命に欠かせない塩。伊豆大島では、塩田禁止法以来塩を作ることができませんでした。当時酪農が盛んだった伊豆大島で牛に日本専売公社が作った食卓精製塩を食べさせたところ、みるみる乳がでなくなってしまった。あわてて海外から岩塩などを取り寄せたりした。伊豆大島ではいち早く研究所を立ち上げ自然塩を作るようになった。その様な歴史とともに、塩の作り方、歴史、人間にとって、生物に取っての必要性を学びます。くさや製造所見学
生物にとって大事な塩。その塩をつかったくさや。くさやの誕生の歴史、なぜくさやか、などを製造所のご主人から伺います。秘伝のくさや液も見せていただき、味わわせていただきました。島嶼農林水産総合センター大島事業所 「海と生命」 黒川
実際に大島の海にいる動物を捕まえて、授業を行いました。バフンウニを人工的に産卵させ、学生の目の前で受精実験を行いました。バフンウニ、なまこ、タツナミガイ、ムカデミノウミウシ、メリベウミウシ、クロシタナシウミウシ、イトマキヒトデ、海藻、イソギンチャクの仲間などいろいろな動物を実際に見ました(図1)。波浮の港 「文学の散歩道」波浮界隈散策
伊豆の踊子の出身地である大島。踊り子が踊っていたという舞台の「みなとや」旅館などを実際に訪れました。当時銀座の一等地よりも地価が高かったという街並みも歩きました。
「椿の里」特別養護老人ホーム見学
2班に分かれて、施設の方に概要を案内していただきました。最後に利用者の方たちと交流する機会をいただきました。大島のみどころや、全島避難の話などを伺った学生もいました(図2,3,4)。<サンセットパームライン下見(翌日の馬の歩く場所)
翌日の馬プロジェクトの為の下見です。予定では、サンセットパームラインを運行する予定だったのですが、翌日西風が強いことが前日にわかっていたので、変更することになりました。風が強くても安全な「ぶらっとはうす」のまわりで行うことになりました。実際のモデルコースを歩きました。おのおの明日のプログラム実行のために、馬方さんにいろいろ質問させていただきました。
講義1 「伊豆大島の海と生き物」 黒川
昼間の講義の続き。未受精卵ももってきたので、顕微鏡下で受精をもう一度行いました。細胞分裂の過程、人間とは、うにとは、塩とはなど、奥が深いです。
講義2「馬プロジェクト」 清水
夕方実際に下見を行った上での講義です。実際に明日行うにあたり、当日自分はどのような役割を行うか、価格は、コースは、などさまざまなことを実際のコースを想定指定決定し、チラシや、ポスターを完成させました。
講義3 「伊豆大島と福島原発の影響」福士
福島の事故の前から伊豆大島で放射線量の測定を行っていた福士先生。事故前、事故Ⅰ年目、Ⅱ年目、Ⅲ年目(今年のデータ)それぞれのデータを見ながら、その影響について、学びました。
2月14日
大島牛乳
島には、牛乳工場が必要だ。大島牛乳の社長、白井嘉則さんは、そう語ります。島は、内地と陸続きでないため、船や、飛行機などを使わないと物資が入らない。島のこどもたちの為には、島で生産ができていないといけないという。そのため一度倒産したはずの大島牛乳の再建を目指し、日夜奮闘している。牛乳の作り方などを学びました。
馬小屋 馬に関する知識、諸注意、接し方など。
実際に馬プロジェクトで運行する、みはらくんに会いました。つばきちゃんは、ケガのためにおやすみすることになりました。
以後、午前、午後で班によって、馬プロジェクトと被災・復興地フィールドワーク班に分かれました。馬プロジェクト班: 宣伝、呼び込みをする人、馬車について、説明する人など、みんなで考えて行動しました。港での呼び込み宣伝の効果もあってか、10組のお客様がいらっしゃいました(図5、6、7)。
[スケジュール]
10:30-12:30 営業体験活動
12:30-13:30 昼食と班交代
13:30-15:30 営業体験活動
被災・復興地フィールドワーク班: 災害に遭った椿園の昔の場所「新町亭」をお借りし、その場所を拠点として、実際のフィールドワークを行いました。歩いた場所を写真に納め、最後模造紙に歩いてきた行程をまとめました。
[スケジュール]
10:30-12:30 被災地等学習
13:30-15:30 被災地等学習元町浜の湯温泉入浴体験 強風のためお休みでした。
以下体調不良者がかなりいたため延期としました。
被災・復興地データ整理(夜講義のための写真印刷)
講義1 「馬プロジェクト」清水
講義2 椿園女将 清水勝子さまより台風26号の当日の話、その後
講義3 「被災・復興地現場フィールドワーク」市古
2月15日
三原山登山口
ジオパーク推進委員の中林先生と三原山を御神火茶屋から、ジオパーク展を説明していただき、山を登りました。天気が良くて、噴火の溶岩流がよく見えました。
都立大島公園 椿まつりメイン会場・椿園・椿資料館
椿祭りのメイン会場にいきました。あんこさんが大島の踊りを披露します。もちろん体験型授業のため、受講生も見よう見まねで一緒に踊りました。
椿園、椿資料館では、さまざまな椿の色、形、かおりを実際に体験しながら学びました。
14:30 大島出帆 船内討論⇒竹芝桟橋19:00着
今回体調不良者が多かったので、大島町役場訪問は中止しました。
第一回事前授業の為の課題
課題1
伊豆大島で当時最大収益を誇る観光産業であった観光乗馬事業は、1986年の三原山大噴火を境にその姿を消しました。現在大島町ではこの観光遺産を現代によみがえらせるための事業として馬を活用した新しい観光ビジネス確立に向け動き出そうとしています。
そこで馬を活用した観光ビジネスについて他の一市町村における事例を一人一例調査して来てください。特にその土地ならではどのような特徴を活かした観光内容であるか調査してください。
またその事例を元に伊豆大島における
馬を活用した観光ビジネスモデルを一つ提案して下さい。
課題2(課題1とは別の用紙に記してください。)
1月7日までに、担当した課題について、よく勉強し、まとめとおいてください。
1分以内で発表してもらいます。一人2つ当たっています。
1 本州や、東京の他の島との位置関係
2 島外との交通
3 島内の交通
4 大島の気候、気象
5 大島の学校
6 大島町役場、大島支庁
7 はじめから東京都大島町
8 大島と戦争
9 大島の独立憲法
10 大島の医療事情、医療施設
11 大島の商業施設
12 大島と文学
13 大島のエネルギー事情
14 大島の水事情
15 大島の経済
16 大島の農業
17 大島の漁業
18 大島の観光業
19 2013年10月の大災害
20 旧六ケ村
21 大島と海
22 大島と火山災害
事前課題レポート(その1)(2015.1.7. 第1回事前授業)
1.伊豆大島の自然について「気候・気象」「地理、地形」「海洋・海流」に関して調べてください。
2.次のすべての項目は伊豆大島で皆さんが直接関わるものです。すべてについて予習をしてください。レポートでは語群AおよびBの中からひとつずつ選び、伊豆大島との関わりを中心にまとめて下さい。A
くさや、大島牛乳、べっこう寿司、テングサ、塩、あしたば、椿、大島桜、植物遷移、島とう、椿油、裏砂漠、ジオパーク、白ママ断層、源為朝、間瀬貞八、日蓮宗不受不施派、おたあジュリア、全島避難、導流堤、割れ目噴火、御神火B
あんこさん、御神火太鼓、野口雨情と波浮港、秋広平六と波浮港、地層大切断面、島しょ農林水産総合センタ−、郷土資料館、大島公園、動物園、椿資料館、元町溶岩流末端、旧港屋旅館と陣の丸邸、ぶらっとはうす、流人墓地、お鉢めぐり、都立大島高校と都立大島海洋国際高校、岡田港と元町港、かめりあ丸とたちばな丸とさるびあ丸、夢と虹と愛と友、新中央航空と東邦航空
事前課題レポート(その2)
伊豆大島での「自然と社会と文化」では障がい者支援施設ないし特別養護老人ホームを訪ねます。障がいや病気のある方々、高齢者の方々とのコミュニケーションで大切なことについて、800字程度でまとめなさい。
「自然と社会と文化」事後レポート
1)「椿の里」訪問、見学を通して学んだことを具体的に800字以内で述べてください。
2)伊豆大島で取ったメモの1~2ページを写真に撮り、記述に当たって工夫したところを説明してください。またそのメモに記されたことに基づいて考えたことを述べて下さい。(全体で500字程度)
3)今回、馬車プロジェクトやフィールドワークでは事前活動を含め「グループ活動」を行いました。(1) グループの中で自分がもっとも貢献したと考えられることを具体的に述べて下さい。また、(2) 自分がもっとも貢献できなかった、貢献すべきだった考えられることを具体的に述べてください。(3) 今後、 新たなプロジェクトを進める際、(2)で各自があげたことに対して、積極的に取組んでいくために行なわなければならないと考えられることを述べて下さい。(全体で500字程度)
4)学外授業における体調管理について気を付けたこと、ならびに考えたことを800字以内で述べてください。
5)参加しての感想。履修前に持っていたこの授業に対する印象とくらべてどうでしたか?(自由記載)