国際交流プログラム 野外体験型講座@伊豆大島
日程:2011年10月21日-10月23日
時間:
場所:伊豆大島-
【概要】
日程:2011年10月21日(金)~10月23日(日) 参加者:留学生13名(中国7名、オーストリア3名、オーストラリア1名、タイ1名、イタリア1名)と日本人学生3名。
教員:ヒューマンメカトロニクス:諸貫信行、生命科学:黒川信、菅原敬、現地講師:白井嘉則、中林利郎、補助:近藤日名子。【日程】
10月21日
19:00 南大沢駅出発
・電車に不慣れな留学生もいる事を視野にいれ、南大沢駅集合で一緒に竹芝まで向かった。
20:30 竹芝ターミナル着
・オリエンテーションとアイスブレーキング 講座の内容説明と簡単なオリエンテーション。
その後、参加者同士の親睦を目的としたアイスブレーキングを行った。2グループに分かれて、
1、誕生日順に並ぶ、
2、日本に来た順(在日日数順)に並ぶ競争を行った。
3、全体で「やどかり」(体を使ったゲーム)を行った。その後、2グループに分かれて、
4、簡単な自己紹介とニックネーム付けおよびニックネーム覚えゲームを行った。
いずれにも全員が楽しみながら積極的に参加し、親睦が図られた。ニックネームは各自ネームプレートに記入してもらった。
22:00 竹芝ターミナル出航
23:00 消灯確認10月22日
6:00 伊豆大島入港後 宿にて温泉、朝食休憩
9:00~ 郷土資料館(図1)
移築された古民家の居間にあがり、囲炉裏を囲んで日本の古い家族制度、 伊豆大島での女性の役割、水桶の頭上運搬などについて解説員から話を聞いた。高田製油所
伝統的な椿油の製造過程について実際の機械を見ながら説明を受けた。生の椿の実を味見してみて、そのエグ味の強さを体験した留学生もいた。
くさや製造所(図2)
くさやの発祥の歴史を学び、その匂いと味を体験。塩が年貢として貴重だったことからくさやが生まれたとの話を聞く。
パレラメール(貝の博物館)(図3)
伊豆・小笠原諸島の貝はもちろんのこと、日本及び世界各地の貝が4千種、5万点も展示されている。その多様性と美しさに皆一様に驚いていた。
・昼食
伝統のづけ丼とそば
筆島(図4)
筆の穂先に似ていることから筆島と呼ばれている。200万年程前は火山活動が活発だった場所で、この筆島は火山の火道で固まった溶岩だと考えられているとの説明を受ける。海中から高さ約30m程あり、後ろの断崖絶壁とあわせてダイナミックな景観が楽しめる。ほかに波浮地区で以下を訪問。
おたあジュリア十字架
波浮の見晴台
波浮港
旧港屋旅館(図5)
波浮は川端康成の「伊豆の踊り子」の出身地でもある。
浜の湯 水着で入る温泉に皆で入り、地元の人達とも歓談。
18:30 夕食
20:00 討論会(詳細は別記)
2グループに分かれて「世界の中の日本」のテーマで、グループディスカッションおよび結果のプレゼンテーションを行った。中国語、英語、日本語などを交え、国境を超えての白熱した議論、質疑応答が繰り広げられた。日本人学生達には、日本の国民性、文化など日本を再認識するとともに、自分の意見を伝える重要性を実感したものと考えられる。10月23日
7:00 朝食
9:00 出発
ジオパーク展
ボランティア観光ガイドの中林先生からジオパークに認定された伊豆大島の概論を伺った。
三原山(図6)
菅原先生の植物の話、白井嘉則氏の大島の生活・文化(図7)、また25年前の噴火当時の大島の話を伺いながら、山頂まで歩いた。霧が多い、生憎の天候で、火口はみられないと判断し「お鉢巡り」は次回に期待して、下山することとした。留学生たちの中には、大島の自然のダイナミックさ、文化などに実際に触れ、夢中で写真を撮るものもいた。
11:45 馬(放牧中の与那国馬)とのふれあい。
12:30 昼食
ぶらっとハウス(生産者直売場)
地元の地産地消のお店。大島で作られた野菜、花、卵、牛乳、アイスクリームが購入できる。アシタバソフトなど珍しいアイスクリームの味を堪能していた。
つばき小学校
町民運動会が行われていた。川島町長を訪問し、町長から歓迎のことばとともに島のお話を伺った。運動会では島の踊りを見学した。
14:30 大島出航
18:00 横浜港入港 解散国際交流プログラム(生命)における活動報告「世界における日本」を題材としたグループディスカッション
諸貫 (システムデザイン学部)
1.概要
国際交流プログラムの一環として,グループディスカッションを行いながら日本に対する理解や各学生のアクティビティを高めるための活動を実施した.
日時:2011年10月22日20:00~21:20(討論50分,プレゼンテーション10分×2,討論10分)
場所:民宿大陣(宿泊先)
参加:留学生13名(日本人学生含む)
題目:世界における日本(文化,産業,教育等,比較の視点は自由とする)2.経過
2グループ(各6名程度)に分かれた後に課題の説明を行い、直ちにディスカッションを開始した。リーダの選定を最初に行うように指示していたため、滑り出しはスムーズであった。時間が限られていたため各メンバーとも積極的な発言が続き、日本人の閉鎖性などに関する議論から挨拶の仕方に関わる議論まで多岐にわたるとともに日本語と英語が混じり合った興味深い議論であった。代表的な論点を以下に示す。議論の進行に際しては、各グループのリーダが的確な調整を行っていた。
ディスカッションの全体風景(図8)
・内向きで排他的な日本人
・オタク文化
・暗黙で相互理解をする文化
・挨拶の際に相手に触れない日本人
・日本社会を特徴づける「あいまいさ」議論の終了後、各グループがその成果を発表した。PCやプロジェクタの準備がなかったためA4用紙に書いたメモを示しながらの発表であったが、内容的には立派な発表であった。発表の最後には各グループのまとめや提言を加えるように指示したものの、複数の視点からの比較を並列させた形になった感は否めない。あらかじめ指示した論点が多様であったことと、絞り込みを行う時間がなかったためと考えられ、今後、同様の活動を行う際には改善すべき点といえる。
A班の発表資料(図9)B班の発表資料(図10)
各班のプレゼンテーションに続き、教員を含めた質疑を行った。難しい質問も含まれていたため、回答に関する議論では留学生の意見より同行した日本人学生の発言が多かったが、その議論の内容及び経過は留学生も理解していたようである。
全体討論の様子(図11)
最後のまとめとして、本活動をリードした報告者(諸貫)より以下をコメントした。
・グループ活動においては、各個人が演ずるべき役割を認識してほしいこと(リーダ役を含む)
・今回のような議論が今後の留学生活における相互理解に役立つこと
なお、今回のグループ構成メンバーは国籍のみならず年齢も学部1年生から大学院生まで幅広く分布していたが、討論の際には皆がお互いを尊敬しつつ自分の意見を述べる状況が多く見られた。このような活動を通じて、各々が自分の役割を認識しつつ行動をとるという組織的な行動規範を学ぶこともできたと考えられる。3.まとめ
プレゼンテーションにおける表現力の豊かさは学会発表などを考えれば基礎的な学力・素養として必須であるだけでなく、最近では就職力・就業力として重要との意見も多くなっている。本学の教育においてもPBL(Project Based Learning)を始めとする新しい形式の教育を取り入れてはいるものの、留学生を対象としたこのような活動は初めてであったため興味深く感じるとともに国際化を含めた本学の今後の教育の在り方を考えるうえで有意義であったと考える。
本プログラムの特徴は、現場で実体験を終日共有し、文字通り寝食をともにしながらの集中、宿泊型であることである。教室を離れてのこのスタイルは、日本人学生の教育にとっても極めて大きな効果を持っている事は既に証明済みである。このたび、留学生−日本人学生同時参加型で開催したが、国際交流の目的のためにそのスタイルが極めて有効である事は言うに及ばず、それが留学生にとってのみならず、日本人学生にとって「自ら学び、考え、動く」力を涵養する上で非常に大きな刺激となっていることがわかった。このようなプログラムが本学で一層充実していく意義と必要を実感した。
参加者の参加後の感想
日本人1
まず第一に感じたことは、留学生の日本に対する関心の強さです。グループディスカッションにおいて彼らが出してくれた意見からは、改めて考えさせられるものがあり、普段は当たり前だと思っていたことなだけに、「当の日本人である小掠さんはどう思いますか?」と聞かれた時には何も答えられませんでした。普段から自説を持ち合わせるほどのトピックではないと感じていたので驚きでした。、これを機会に、外国人から見た日本人として映る普段の自分の振る舞いや行動について、改めて疑問意識を持ち、客観的な立場で日本人らしさを考えてみようと思いました。
そして、他に印象に残ったことは伊豆大島の歴史と自然です。幾度となく繰り返されてきた噴火によって生み出された独特の地形や伊豆大島特有の自然は目を見張るものでした。現在に至る経緯を説明していただいただけに理解がさらに一層深まり、貴重な野外講座となりました。 くさやの伝統を絶やすまいとその道一筋で生きてきた職人さん、地域おこしに尽力されてる白井さん、地質学上の重要さを国内外に伝えていこうと活動されてるナカバヤシさんらが、とても輝いて見え、そこからはそれら歴史や彼らの伝統を、未来へと伝えていかねばならないという強い意志が感じられました。噴火の被害に直面しつつも、その度住民同士の結束力によって復興してきた住民からは、人の温かさをも感じました。 これからも、国際交流を通じた、地域密着型の体験講座を頻繁に行ってほしいと思います。今回はどうもありがとうございました。また次回の企画を楽しみにしています。それでは失礼しました。留学生1
The Impression to Oshima Trip Incredible! Am I still in Tokyo? I asked myself as soon as I arrived Oshima, the one island of Tokyo. Because of the tranquility and the charming volcanic landscape, made me amazed in it. The most beautiful scenic point, Fudeshima, impressed me so much. 2 days with a group of new friends, offered me the opportunities to experience both learning and making friends. The knowledge about geography, biodiversity, history and the culture of communities are the precious lessons learned from this trip, and the relationship between Japanese and foreigner friends are unforgettable. Furthermore, My Japanese and English speaking skill were practiced with this program. Especially Japanese, I’ve learned many words such as “Tsubaki” the Japanese name of Camelia that the seeds can be eaten and is useful in skin and hair care, “Kusaya” the soaking fresh fish in a broth called “Kusaya-jiru” then drying it in the sun (bad smell but delicious), and “Ashitaba” is a plant of Apiaceae family which it’s said that when picked one day, it will grow back by the next day. Oh! I love Ashitaba tempura so much. I’d like to eat it once again. It can be said that the trip to Oshima is a really good program that should be continued. I’d like to say thank you all sensei who arranged such a good trip for us. I do appreciate it.
留学生2
This program gave me a very good chance to know more about Japan’s nature, as well as its society and culture. It was impressive for me to visit Mt. Mihara and other famous places in Izu-Oshima. The environment in Izu-Oshima is very different from that in Tokyo. I felt that I was close to the nature when I visited Izu-Oshima. Moreover, I am very glad that I met many friends from different countries during the trip. We shared our opinions and learnt from each other during the trip. The trip provided an excellent opportunity for us to understand different cultures and people from different countries. I think we have become good friends, and will keep in touch.
留学生3
So much good memory and practice were obtained from the fellows because we are from different countries and grow up in various backgrounds. I notice that Japanese friends care more about others' feeling in communication. And that's consideration which let me feel comfortable in talking with them. About the friends from Europe, they brought many different ideas on some common point. I know one boy from Austria, who chooses two different majors as his bachelor. And in my opinion, these two major are almost irrelevant that are marine biology and Japanese culture and movie. I asked him why he chooses the two majors so differently and he said that because of the interests. That was impressed me. Because for me or most Chinese student, we usually choose something as our major because we are good at it or this is easier to find a job after graduation or I don't know what I like but I don't hate this, such as these reasons. We never consider about what is my interesting. I perceive it is a little pathetic. I think most western people are doing what they like but most Chinese people or Asian people are more good at looking for something interesting in what they are doing. I cannot say which one is better but I really admire someone would be sure what they like and keep in doing what they like. I am not sure whether these words could help in accomplishing your reports or not. Whatever, I really enjoy that trip. Thank you so much for your efforts.
日本人2
まずは留学生との交流について述べたい。日本人という圧倒的マイノリティに属する自分が、多様なバックグラウンドをもつ留学生達と果たしてうまく意思疎通できるか、初めは正直とても不安だった。実際留学生達は、そのほとんどが英語以外の言語を母語としながらも、完璧な発音や抑揚で自在に英語を操っており、自分の英語力のなさを痛感した。今まで中学高校と英語は得点源であり、又大学の英語の授業では物足りなさを感じており自分の英語力には一定の自信をもっていただけに、世界の人たちと比べたら自分の英語力なんてなんてことはないんだという事実は非常に衝撃的だった。しかし自らの英語力に嘆いていても仕方がなく、多少単語や文法に違和感を覚えながらも留学生達に積極的に英語で話しかけた。彼らは自分の拙い英語でも一生懸命理解しようとしてくれて、そんな彼らの優しさがとても嬉しかった。留学生達は日本以外のアジア圏やヨーロッパの出身が大半で、様々な言語を話す様々な民族が入り混じる地域で暮らしてきており、日本人の自分よりも共通語としての英語を話す機会は多かったはずだ。しかしそれは自分の拙い英語力を正当化する事由たり得ない。これからはますますグローバル化が進み、どのような職業であっても外国人と関わる機会は増えると思われ、英語の習得は日本人にとっても不可欠である。今回関わった留学生の中には3ヶ国語、更には4ヶ国も話せる人がいて、そういった知識・技能に対する貪欲さにとりわけ目を引かれた。なかには一度母国で自分にとってはとても魅力的な職に就きながらも、更なる刺激を求めて日本にきている人もいて非常に有意義な話を聞くことができた。自分は現在第二外国語としてフランス語を勉強しているが、活用や発音の難解さが原因でモチベーションが下がっていた。そんな中彼ら留学生の知的貪欲さを目の当たりにして、フランス語なんか話せても使う機会はないんだなどと決めつけずに意欲的に学習し、使う機会を自ら作り出したいと思うに至った。 次に伊豆大島について述べようと思う。今夏小笠原は父島を訪問し、本土の外には同じ日本でありながらまだ知らない素晴らしい地域が沢山あるんだということに気づき、もっと未知の日本について知りたいと思うに至り、今回まだ訪問経験のなかった伊豆大島へ行ってみようと決めた。今回は滞在期間が小笠原訪問時より短く、あまり多くのことは経験できないかもしれないと最初は思っていた。だが実際島を訪れてみると、事前に情報収集していたにも関わらず、見ること聞くこと知らないことばかりでとても新鮮だった。海や三原山といった自然、新鮮な牛乳・野菜・魚介類といった食、古民家・椿油・寄港地ならではの歴史的経緯といった文化を存分に体験させてもらうことができ、とても楽しかった。中でも自分は、中央に火山があり周りを海に囲まれているという地理・景観、どこか懐かしさ・物寂しさを感じるノスタルジックな街並みが好きで特に印象に残っている。三原山の火口はあいにくの霧で見えなかったが、霧の立ち込める三原山も幻想的でそれはそれで魅力的だった。同じ島ながらも父島とはまた違った風土なのが非常に刺激的だった。観光客として島の資源を分けてもらった自分にできる島への恩返しとして、伊豆大島という日本の素晴らしい島を多くの人に知ってもらえるように自分なりの努力をしていきたいと思う。大島岡田港からの出港時の島民の方の盛大な見送りには胸を打たれた。自分が住んでいた京都市は市民の多くが観光客に対してともすれば排他的になりかねない。だからこそ、父島にも言えることだが、島を訪れる度に観光客に対する島民の温かさをひしひしと感じる。 今回知り合った留学生や日本人の学生は、皆かけがえのない素晴らしい人たちばかりであり、今後もこの出会いを大切にしたいと思う。又、今度はもっと色々と自分で調べた上でなにかしら新たな興味を発見し、いつの日かまた伊豆大島を訪れてみたい。最後になりましたが、諸先生方には今回は大変お世話になりました。ありがとうございました。
留学生4
Thank you for organizing the trip to Izu Oshima island. I have really appreciated being part of the group and I have enjoyed myself during the past weekend. It was a great opportunity for me to meet people from other countries and cultures. In Izu Oshima I also had the chance to experience many aspect of the traditional Japanese lifestyle (the food, the houses, the hot springs). It is too bad that we had bad weather during our excursion at the volcano and we could not appreciate it to the maximum. Overall, I had a very good time!
日本人3
私は、大島に行ったことがありますが、留学生と行くことで新しい発見がありました。例えば、大島の文化について日本人には聞かれないようなことについて聞かれて、考える機会を持つことができました。以前、大島の観光について考える機会がありましたが、今回新たに外国人案内に注目するようになりました。また、夜の討論(世界の中の日本)では、国の壁を越えて、真剣に話し合うことができて、貴重な経験になりました。
留学生5
Thank you for your great Izu-Oshima program. I really enjoyed it! I learned a lot about the nature and culture in Izu-Oshima. It helped me to understand the Japanese culture better. And the people in the island were very kind and I'm really appreciative of the guiding. I also made many Japanese and other international friends from this program. It was terrific! I'd like to join the program again next time. Thank you very much.
留学生6
今回の大島講座で、いろいろな国の学生と交流できるのが、本当に得難い経験だと思います。みんなとしゃべる時、時々英語で時々日本語で、とてもおもしろかったです。地元の人の説明によると、大島人の生活のしかたと伝統もちゃんと理解しました、旅行と違う感じで、景色だけでなく、文化も多少理解しました。このような地元の人と留学生達意見を交換して討論して、日本だけでなく、他の国の考え方も納得しました、これがこそ留学生活だと思いました。それに、日本人がいるから、わからないことがあったら、すぐ答えがもらえます、これによって、日本の伝統文化がわかりやすくなります。時間が短いですが、先生たちの御蔭で、いい思い出ができて、ありがとうございました。 今度このような活動があったら、私も参加したいです。(個人的考えですが、富士登山へ行きたいです。) よろしくお願いいたします。