都市教養プログラム「自然と社会と文化」(2010年3月2日~5日)
日程:2010年3月2日-4日(2泊3日)
時間:
場所:伊豆大島
都市教養プログラム名:自然と社会と文化
都市教養プログラム「自然と社会と文化」が開講されました。
「自然と社会と文化」の特徴は野外体験型、宿泊集中形式で行なわれることです。現場ではただ受動的に学ぶのではなく、積極的な予習を背景に疑問を持ち、尋ね、自ら課題を発見し、そして常に議論し合うことが求められます。
担当教員:菅又昌実(人間健康科学)
ダニエル ロング(日本語学)
黒川 信(生命科学)
鄭大均(社会人類学)
南貞鎬(韓国芸術総合学校)
地元講師:白井嘉則(前大島町議会議長)
中林利郎(大島高校教諭・ふれあい観光ガイド)他プログラムの概要
事前ガイダンスが1月22日(金)6限(概要説明、参加希望者の申込方法の説明等が行われました。)
大島でのプログラム
1日目
3月2日朝8時20分竹芝ターミナル発ジェットフォイルで参加学生19名、テーチングアシスタント5名、教員5名らによる「自然と社会と文化@伊豆大島」がスタートしました。約2時間で伊豆大島岡田港に到着。
宿舎で現地の講師の先生方が紹介され、早速今日の行程を打ち合わせ出発です。
約2万年の火山噴火の歴史が積み重なった間伏地層断面
波浮のくさや製造所「藤文」では、ご主人からくさやの歴史から製造方法、くさや汁の秘密まで詳しく伺った後、焼きたてのくさやをごちそうになりました。
初めて食べる人が多かったですが、皆でくさやの香ばしさを堪能しました。
波浮港では、大島海洋国際高校の平塚教諭から波浮の歴史、港の成り立ちについて説明をうけました。
波浮港はもともと水蒸気爆発の火口です。
筆島は伊豆大島を作った古い火山「筆島火山」のなごりです。
大島といえば椿。ちょうど椿祭りの最中で、何千種類もの椿が咲き誇る大島公園、椿資料館では椿協会会員でもある白井嘉則元大島町議会議長から椿の花の特徴や、椿と大島の様々な深い関係について伺いました。
宿舎に帰って温泉につかり一休み。夕食後は先生たちを交えてディスカッションです。英語、韓国語とともに、地元の潜水漁師白井孝さんや白井元議長が話す大島方言も飛び交います。
2日目
二日目はまず、1986年11月の外輪山割れ目噴火で流れ出した溶岩流に圧倒されました。元町の人家に迫る溶岩を消防団員が海水を撒き続けて必死でとめました。
椿油製油所(高田製油所)では、昔ながらの搾油機の前で伝統的な椿油について学びました。
郷土資料館で大島高校の中林先生から説明をうける学生たち。
大島温泉ホテル駐車場で「白ママ地層」(伊豆大島の噴火による地層ではない!)を見学。
天気も回復。いよいよ、三原山へ登ります。登山口で伊豆半島をバックに記念写真。
カルデラ内にて。溶岩流の後も生々しい内輪山。
火口を一周するお鉢巡り。裏砂漠を望む。
三原山から下りたところで向かったのは、特別養護老人ホーム「椿の里」。ノロウイルス感染発生のため、部外者の立ち入りの制限があり、施設外で施設長から施設の概要や老人福祉問題について説明を受けました。
次に訪れた町長室では藤井町長と様々な質疑応答が繰り広げられました。すべての質問に対して真剣にお答え頂いた町長に感謝申し上げます。
夜はロング先生の大島方言の話で盛り上がった後・・・
椿祭りの夜祭りへ。
最後は全員で手踊り。
踊り終えて宿にもどってからは、再び討論です。
3日目
最終日 最終日は自由課題行動。各自、各ブループに分かれ、朝から昼食をはさんで、港での集合時間まで分かれて行動しました。それぞれに目的を明確にして、限られた時間を有効に行動することが重要です。
栽培漁業センター:アワビ、サザエなどの採苗室を見学させて頂く。
東京都大島支庁を訪れ、総務課長らから話を伺う。
夢工房で金子ひろこ先生から人生の話も伺いながら椿染めを体験。
たくさんのテープに見送られて港を後にしました。お世話になった皆様、どうもありがとうございます。
その後、船上で車座になっての自由討論が入港まで続きました。
事前レポート課題:(参加が決まった人が、大島でのプログラム参加の前の事前学習として課せられたレポートです。)
その1からその3は下記の通り事前に提出。その4、その5は伊豆大島に行く迄に学習し、まとめておく。
その1:伊豆大島の「山」「海」「気象・気候」のそれぞれについて事前に調べ、簡単にまとめなさい。
その2:伊豆大島で出会えることが期待される動物10種類、植物10種類をあげなさい。できるだけ色々な、別の種類のものをあげること。また、あげた20種類を、「ヒト(人間)」とのかかわりという視点から選んだ基準で分類しなさい。(分類基準の 例;ヒトと同じ・・・か否か/人間が・・・するか否か)
その3:「地域活性化とはどうあるべきか、経済規模の拡大を目指すのか、環境客 の増加を目指すのか、」あなたが考える地域活性化の有るべき姿を400字以内にまとめなさい。
その4:伊豆大島の面白いことばを集めたホームページがある。
同じ伊豆諸島の神津島に行くと、お土産屋の名前が「よっちゃ~れセンター」(「寄って来なさい」という意味の神津方言)だ。沖縄でも島ことばが積極的に観光客に向けて使われている。上記のホームページにある沖縄の方言看板を参考に、大島方言をどのように「観光資源」として活用すれば良いか想像してみよう。大島に行く前に大島の方言看板を2,3個自分で考えてみてください。その5:今回訪れる予定の場所、施設などについて、できる限り情報を集めて予習をし、自分は「何を見に行くのか」を考えまとめなさい。
最終レポート課題:(大島でのプログラム終了後に出された課題です)
地域言語が観光に使われている。提示されたサイトから観光資源として大島方言をどのように使用するのか、自分で考えて看板を作成する。なぜその語句を選んだかを400字程度で書く。
前回と同様の課題。大島を実際に体験して地域活性化とはどのようにあるべきか、経済規模の拡大、環境客の増加を目指すのか、400字以内にまとめる。体験を通してプランを提示する。 他国、他地域を参考にしてもよい。
伊豆大島での新しい考え方、知識を得た事によって、人と生物、そのつながり、生き物としての人間、についてまとめる。
全体の課題、感想を自由にかきなさい。
もし感想で出来なかった事、言えなかった事があったならそれは何故か、どうすればよかったのかを書く。