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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

セラピスト向け情報発信ページ

#722 John Stins氏ら(アムステルダム自由大学)による大学院授業(大学院英語化推進事業)

2023年初回の投稿です。今年もこのコーナーでは,研究室活動や大学院教育など,様々な情報をお届けいたします。どうぞよろしくお願いします。

12月20日に,私が大学院で担当する講義形式の授業「認知行動学特論」の中で,オランダの研究者2名による授業を行いました。「認知行動学特論」におけるその他の授業内容については,こちらをご覧ください(リンクを張る)

講義していただいたのは,アムステルダム自由大学のJohn Stins氏と,Mathijs Hofmijster氏です。Stinsとは研究領域が近く,長年親交がありました。2014年には,日本学術振興会における外国人研究者短期招へい事業の支援を受け,1か月ほど本学に滞在いただいたこともあります。今回そうしたつながりを利用して,Zoomによる授業を実現することができました。

レクチャーのタイトルは「Towards behavioral change: scientific opportunities and challenges」というものでした。日常における活動量・エクササイズの実践を題材に,行動変容に向けた科学的貢献について話題提供をしてもらいました。2名とも自身の研究内容ではなく,大学での授業実践として,普段の授業で取り上げる授業内容をご紹介いただきました。

最初にHofmijster氏が,「The global inactivity problem: why fewer and fewer people meet activity guidelines, and why this is problematic」というタイトルのもと,40分にわたる話題提供をしました。肥満に関するオランダと日本の比較など,この授業に向けて様々な工夫をしてくださり,とても分かりやすい授業をしてくださいました。特に,エクササイズを強制してしまうことの弊害として,運動を能動的に行うか強制的に行うかで脳活動が違う可能性など,様々な情報が提供されました。

続いてStins氏が,「Identifying cognitive and emotional barriers to exercise and behavioral change」というタイトルの下で40分にわたる話題提供をしました。運動をすることとストレスを感じることが相互に影響しうることが,話題のメインでした。すなわち,運動をすることでストレスレベルが低下しうること,そして,ストレスレベルが増大すると運動意欲が低下することです。

授業には平常の参加学生に加えて,樋口研や他の院生も多く参加してくれました。限られた時間の中,数名の院生が英語による質疑に意欲的にトライしてくれました。日常生活の中で,英語に触れることの意義を感じてもらえたのではないかと思っています。



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