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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

セラピスト向け情報発信ページ

#701 研修会Perceiveでの話題提供(運動支援の心理学)

7月24日に,大分県・佐藤第一病院の藤原愛作先生が代表を務められる勉強会「Perceive」にて,話題提供を担当いたしました。藤原先生とは4年ほど前,宇佐高田地域リハビリテーション広域支援センターでの研修会にて大分にお招きいただいた縁があり,その後はSNSなどを通じてお世話になっています。この度,2度目のチャンスをいただき,3時間の話題提供をすることとなりました。

今回のテーマは「運動支援の心理学」でした。運動の理想形を「一貫した行為を生み出す多様な動きを身に着けること」であり,また「最適な行為を探索することで個人に特有なスタイルを見いだすと考えると,丁寧すぎる言葉がけが時にそうした動きを身に着ける妨げとなり得る,という趣旨でお話をしました。

そのうえで,動作に対する細かな言語指導を避けることで,個人にとって理想的な動きを探索してもらう(exploration)ための基礎知識として,身体外への注意(external focus),制約効果の利用(constrained-led approach),運動感覚を伝えるという3つのトピックについて説明しました。

またその他の話題として,本年10月に開催される日本神経理学療法学会ランチョンセミナーに関する紹介や,拙著「研究的思考法」の内容についてもご紹介いたしました。

本件を依頼いただいた時期はコロナも落ち着いたころであり,対面でのレクチャーを検討していました。結果的にオンライン開催の方法を取りましたが,現状の状況を考えるとよい決断であったと思っています。ここ最近は対面での学会のほうが多くなっている印象がありますが,そうした機運がそがれることなければよいなと,改めて思いました。

いつも様々な形で私たちの研究を支援してくださっている藤原愛作先生に心より感謝申し上げます。


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