発達性協調運動症(Developmental Coordination Disorder: DCD)に関する学術学会である日本DCD学会では昨年2021年度に,「不器用な子にとってのスポーツの意味」というテーマで学術大会が行われました。この度,その内容が本になりましたので紹介します。
DCD・不器用な子も楽しめるスポーツがある社会のために: 運動に悩む子・先生・コーチへのメッセージ | 北洋輔, 澤江幸則, 古荘純一
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私もシンポジウムで発表した内容で,分担執筆を行いました。「研究者が考える不器用な子にとってのスポーツの意味」というタイトルです。基礎知識としての適応や協調の問題,スポーツの早期教育に関する問題,そしてDCDの認知科学的理解としてトレンドである内部モデル障害説の考え方について紹介しています。
この本には,学会で紹介された内容が網羅的に含まれています。基礎知識の紹介だけでなく,具体的にどのようにスポーツを教えるのかという実践例についても,豊富な情報が含まれています。ご関心がある方はぜひ本を手にとってご覧ください。
スポーツを上手くする問題を主眼に考えてきた私にとって,不器用な子にとってのスポーツの意味というのは,衝撃を受けた内容であり,その意味の大きさに大いに学びました。
学会発表,並びに執筆の機会をいただいた,北洋輔氏(慶応義塾大学)ならびにDCD学会の皆様に,改めて感謝申し上げます。