量子凝縮系理論研究室は、3人のスタッフが率いる、理論系では比較的大きな研究室です。研究内容はおもに量子力学に支配された低温の凝縮系であり、古典的発想では思いも寄らないような特異な現象を、理論的に解明する研究を進めています。また構成要素が多数からなる多体系が対象になるため、量子力学と統計力学は必須の知識です。研究室への参加を希望する人には、これらの知識をある程度備えていることを想定しています。 一方、対象へのアプローチの方法としては、解析的手法と数値的手法の両方を駆使しているため、解析的(いわゆる紙と鉛筆の世界)に問題に迫りたい人も、コンピュータを使って数値計算したい人も歓迎します。コンピュータについては、プログラミング経験がない人でも、一から学んでもらえれば問題ありません。 研究だけでなく就職活動も重視しており、活動を妨げることがないよう配慮しています。博士後期課程への進学を希望する人にも、さまざまな面でサポートをしています。 量子力学や統計力学が織りなす不思議な世界を、研究室の仲間と共に、楽しみながら探索していきましょう。
卒業研究
前期は週に1回教科書の輪講をします。後期は一人一つテーマを決めて研究をします。
最近の教科書
Charles Nash, Siddhartha Sen "Topology and Geometry for Physicists"
永長直人 "物性論における場の量子論"
近藤淳 "金属電子論 "
最近の卒研テーマ
・超流動ヘリウムとその励起状態
・二粒子分光法によるBCS-BECクロスオーバーの対の性質の解析
・超流動状態のスピンエンタングルメントエントロピー
大学院生活
ゼミは週に2回あります。一つが研究の進捗状況を報告するゼミで、もう一つが教科書の輪講ゼミです。
最近の教科書
John Cardy "Scaling and Renormalization in Statistical Physics"
C. J. Pethick、 H. Smith "Bose-Einstein Condensation in Dilute Gases"
L. Pitaeskii S. Stringari "Bose-Einstein Condensation"
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最近の院生の研究テーマ
・スピン軌道相互作用を持ったリングトラップBose原子系の基底状態
・空間依存ホッピング下でのBose-Fermi Hubbard modelの解析
・二重井戸中の2成分ボーズ気体のジョセフソン振動
・グッツウィラー近似を用いた三次元光格子中ボーズ-フェルミ混合系の量子相の解析