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主な研究対象:
コンクリート工学、コンクリート構造物の耐久性向上、補修・補強
鉄筋コンクリートの設計・施工方法、構造物の維持・管理・ライフサイクル分析 |
【研究実績の概要】
各研究成果を以下に示す。
(1) 鋼板巻立て工法などに用いられるセメント系充填材は、狭い間隙を密に充填することが求められる。本研究では、フローを250mmとした試料を用いて、各種試験を実施して、材料分離特性ならびに充填性と塑性粘度との関係を明らかにした。
(2) コンクリート構造物の耐久性を確保するため、かぶり部のコンクリートは密実で均質でなければならない。本研究では、8cmのコンクリートを鉄筋の内側に打ち込み、内部振動機によってかぶり部へ流動させる場合を対象に、かぶり部の締固め特性に及ぼす配筋条件(鉄筋あき35,50,65mm)
ならびに締固め条件(鉄筋位置からバイブレータまでの距離:90、140、190mm)の影響を検討した。
(3) プレキャストコンクリート製品は、一般に工場において蒸気養生が施され、所要の強度を発現するため、工期短縮等のメリットがあるが、表層部の耐久性が低下することが懸念される。本研究では、蒸気養生中の散水が表面部の組織形成に及ぼす影響を検討した。
(4) 既設コンクリート構造物の補強工法として、連続炭素繊維(CFRP、Carbon Fiber Reinforced Plastics)格子筋と吹付けモルタルを適用した断面修復工法がある。本研究では、梁部材のせん断ひび割れ部を模擬した要素試験により、補修界面のせん断付着応力分担域について、コンクリートと吹付けモルタルの界面の破壊エネルギーを仮定したFEM解析を行い、挙動の把握を行った。また、格子の交差部の引抜け抵抗特性を実験的に把握し、格点部の挙動およびCFRPの軸方向付着特性を明らかにした。
(5) 高度浄水施設の生物活性炭吸着池における躯体コンクリートの遊離炭酸による化学的侵食に着目し、モルタル供試体の劣化促進試験法について検討した。その結果、モルタル供試体の劣化を評価する室内試験方法を提案した。