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首都大学東京 都市環境学部 都市基盤環境学科 コンクリート研究室

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見出しColumn

研究こぼれ話、コンクリートのひみつ、材料研あるある等。。。。。
徒然なるまま、材料研メンバーが不定期に書き綴っていきます!
次の投稿者は誰だ?! ・・・お楽しみに♪


小倉橋は1+1=3と言えるかもしれない

 コンクリート構造物たちを見に行こう -その2-
2013年12月03日(火)   posted by 宇治公隆 教授
 国道16号線の橋本五差路(相模原市、JR橋本駅より南へ約1.2km)から県道510号線を津久井湖方面へ向かい、約5km、20分足らずで到着。昭和13年に建設された小倉橋と平成12年に建設された新小倉橋がそこにある。小倉橋の道路幅が4.5mであり、大型車も多く通行して交通渋滞の原因となっていたことや、橋の老朽化が認められるようになったことから、すぐ上流に片側2車線の新小倉橋が建設された。なお、小倉橋は今も地域住民の生活道路として活躍している。 土手から川原に下り、背丈の高い草の茂みを抜けて川辺に出る。ごろごろした石ころの上をこけないように注意しながら、写真のベストポイントを探す。右の写真は下流側から撮影したもので、結局、よく雑誌に掲載されているものと同様のアングルになった。手前が小倉橋、100mほど後方にあるのが新小倉橋。小倉橋・新小倉橋は特に景観の点で話題になることが多いように思う。両橋ともアーチ橋ではあるが、アーチ部の支間がそれぞれ36.75m(4スパン)と150m(1スパン)で、この違いが面白い雰囲気を醸し出している。
 小倉橋は平成20年(2008年)に土木学会の土木遺産に登録されている。写真下左は小倉橋だけの時代の風景である。写真下右からも分かるように、垂直材の間隔がバランスいいだけでなく、垂直材1本ずつが橋軸方向に開口を有し、軽量化と美観を実現している。
 一方、新小倉橋は、上の写真のように、支間150mのアーチ構造を有する堂々とした橋でありながら、周りの景色を邪魔しないよう細めの部材で構成されているのが印象的である。なお、新小倉橋は、当時の最新技術であるピロン工法で施工されており、その工法について調べてみるのもいい。
 両橋とも十分に存在観が窺えるとは言え、やはり1つの橋である。ところが、近接する両橋が1つの写真に収まると、他には無い絶妙な景観を作り出す。4つの小さなアーチで構成される小倉橋に、比較的長い支間の新小倉橋が加わることで、魅力が格段に向上する。今風に言えば、コラボレーション。近年は、ランドマークを意識した橋も造られるようになったが、2つの橋で魅力を倍増する物はなかなかお目にかかれない。1+1=3と言えるかも。

 

工事概要は以下の通り。
小倉橋:昭和13年(1938年)竣工・開通 橋長176.6m、アーチ部支間4×36.75m
新小倉橋:平成12年(2000年)竣工、平成16年(2004年)開通、橋長193m、アーチ部支間150m


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オオ~ッ! “くじら橋”だぁ~!!

 コンクリート構造物たちを見に行こう -その1-
2013年05月23日(木)   posted by 宇治公隆 教授
 

 “くじら橋”に行ってきた。大学から比較的近い所にありながら、また授業でも是非見ておきたいコンクリート構造物の1つとして7~8年前から紹介しておきながら、いつでも見ることができるからと勝手に言い訳をして未だ本物を見ていない。これではいかんと気持ちを改め、重い腰を上げ行動開始。
 京王線稲城駅から歩いても行ける所のようである。稲城中央公園と稲城第二公園を結ぶ歩道橋“くじら橋”。頭の中にインターネットで調べた地図をインプットし、道順をイメージして駅を出発。ほぼ道なりに行けば辿り着くと気楽に考えて歩き出したが、目指す公園の案内看板は見当たらず、交差点の雰囲気や道の曲がり具合も微妙にイメージとずれがある。地図を持ってこなかったことを反省。人通りがほとんどない道が続く。間違いないと自分自身に言い聞かせ、“尾根幹線道路”のキーワードを頼りに、とにかく歩く。ようやく景色が変わり、車の往来が多い道路にやってきた。一瞬、ほっとしつつも、目指すものが見当たらず、まだまだ不安。でもここまで来たら行くしかない。少し歩くと橋が見えてきた。ん?エ~ツ、ウソだろ。普通の橋だ。深呼吸してから頭の中で地図を広げる。想定した時間は歩いたはずだ。いや、まわり道したようだからもう少しか?車は多く走っているがすれ違う人はいない。まあ、もう少し歩くしかないな。コンビニがあるぞ、聞いてみようか?いや“くじら橋”なんて知らないのではないか。まあいい。もう少し歩こう・・・。 
また橋が見えてきた。ドキドキ。橋がだんだん大きくなり、輪郭もはっきりしてくる。おお~つ、やった!何度も写真で見てきた独特の形が近づいてくる。交差点の信号機に“くじら橋”のプレートを発見。やっと、ゴール! 

暫し感慨に浸った後、橋を観察させて貰う。流線形の優しい輪郭が何とも言えない。ランドマークとしての構造物が造られるようになってきた昨今ではあるが、無理のない、自然な感じを与える構造物との第一印象。後日、専門誌に掲載された“くじら橋”建設の工事報告を読んで改めて感心した。景観はもとより、構造面での検討がしっかりしており、幾つかの学協会の作品賞を受賞したことも頷ける。
 30分ほど橋の周りをウロウロしたり橋を渡ったりして“くじら橋”を観察。さりげなく公園に溶け込み、自己主張し過ぎないところがいい。設計者の思いを推し量り、橋の形の面白さ、施工者の努力の成果を楽しむことができた。
 日が暮れる前に帰らなければ・・・。行きとは違って、足取り軽く稲城駅を目指す。楽しい一日であった。

 

工事概要は以下の通り。
稲城中央公園~稲城第二公園を結ぶ歩道橋。南多摩尾根幹線道路を跨ぐ、PC単径間固定式門型ラーメン橋。橋長107m、幅員24.4~16.8m。1997年竣工。住宅・都市整備公団(現、都市再生機構)。施工:錢高組・地崎工業共同企業体。


材料研コラム、スタートです!

2013年03月21日(木)
posted by HP管理人あきもと
桜、咲き始めましたね!

だいぶ暖かくなり、過ごしやすくなってきた今日この頃・・・
大学周辺は桜で彩られ、9号館2階の学部事務室前はペンキが新しく塗りかえられ・・・新年度を迎えるにふさわしい雰囲気になってきました!

今年度、卒業予定のみなさんは、ただ今論文の製本真っ最中!
いよいよ、大詰めですね、お疲れさまです!

さて、、、、、
これから、材料研コラムを始めます!
材料研の「今」を、みなさんにお知らせするべく、投稿していきます。
卒業生のみなさんも、ちょくちょくのぞいてみてね^^


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2013/12/3
「コンクリート構造物たちを見に行こう-その2-」

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