首都大学東京は今年で開学10年目となる比較的新しい大学ですが,理工学系数理科学コースには,その前身となる東京都立大学理学部数学科の伝統が脈打っています.このオープンクラス「高校生のための数学―夏の学校」も,都立大時代から数えると,今回で19回目の開催となります.さて,みなさんは,小学校の算数から始めて,中学校,高等学校と数学を学んでゆくと,「これ以上,数学で勉強することは残っているのだろうか」と感じた事はありませんか? また,この20年間の間に「フェルマーの定理」や「ポアンカレ予想」と呼ばれる大問題が解決されましたが,こうしたニュースに触れると,数学の研究でまだ残っている問題はあるんだろうかと思ったことはありませんか? 実は「数学で勉強することや研究すること」はまだまだたくさんあります.数学は,人類の歴史の中で最も古い学問の一つでありながら,今なお,活発に研究が行われている学問なのです.近年では科学・工学の基盤としての役割を果たしている一方で、これら様々な分野との研究交流を通して,新たな問題を取り入れて発展しています.しかし,残念ながら,普通の高校の授業では,こうした話題に出会う機会は少ないと思います.
このオープンクラスでは,本学数理科学コースの4名の教員が高校生向けに大学で学ぶ数学や,さらにその先にある数学・応用数理科学の話題について分かりやすく講義します.第一線で活躍する数学者の講義を通して,高校数学の先の世界を覗いてみませんか?
(夏の学校 構成委員会 酒井高司,今井淳,澤野嘉宏,平田雅樹)
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