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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

セラピスト向け情報発信ページ

#767 講演イベント(高橋隆宜氏「三次元動作解析装置を正しく使う」)

私たちの研究室では,様々なゲスト講師をお招きし,研究室の中だけでは学べない様々な情報を得ることにしています。今回は,三次元動作解析のスペシャリストとして活動をされている高橋隆宜氏をお招きしました。高橋氏は現在様々なポジションを掛け持ち,多岐にわたる活動を展開されています。本学客員准教授,株式会社フォーアシスト, 公益財団法人日本スケート連盟ナショナルチームスタッフなどが現在の肩書の一例です。

レクチャーのタイトルを,「三次元動作解析装置を正しく使う:いまさら聞けない基礎の基礎」としました。私自身の動作解析に関する知識が乏しいこともあり,基本中の基本であるカメラセッティングやキャリブレーションについては,独学・伝承的に実践している部分がありました。今回のレクチャーを機に,そうした方法を改めて見直し,改善できることがあれば改善したいと考えました。

2部制のレクチャーのうち第1部では,映像撮影技術の歴史や,現在主流の3次元モーションキャプチャシステム情報などの解説がなされました。システムの説明については,各メーカーのカメラの特徴や国内代理店業者情報まで含め、高橋さんだからこそ詳細に解説できる情報をたくさんいただきました。また,旧来からあるDLT方式から,AIを用いた最新の解析システムまで,どのように発展してきたかについても説明があり,最新のシステムの特徴を歴史的な発展の観点から考えることができました。

第2部では実験室における実習形式で行い,私たちが行っているキャリブレーションの仕方や,マーカーを張り付けるときのポイントについて,改めて一から見直す機会となりました。

大学院生にとっては,研究室にあるシステムを活用することが日常の主眼です。我々が使うシステムにはどのような特徴があるのか,またシステムの良し悪しをどのように考えるのかについては,必ずしも考える機会がありませんでした。今回のレクチャーを通してこうした問題にも深く思考をめぐらすことができました。彼らが将来,自身の研究室をもち,新たに三次元動作解析のシステムを選ぶ際,こうした情報が役に立ってくれるものと思います。

     



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