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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

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#719 三浦哲都先生(早稲田大学)による大学院授業(大学院英語化推進事業)

11月22日に,私が大学院で担当する講義形式の授業「認知行動学特論」の中で,三浦哲都先生(早稲田大学人間科学学術院)にゲストレクチャーとして講義をいただくことができました。今回はその様子をご紹介します。

本学では昨年度より,大学院博士前期課程の留学生が,英語授業だけで卒業単位を取得できるようにするための整備が始まりました。認知行動学特論もそうした授業の1つとして大学から予算助成を受け,各種整備を行ってきました。予算を外部講師の招聘に使えることから,半期の講義の中で3名のゲスト講師を招聘しました。もともとは英語による講義を依頼していましたが,本年度は英語話者の受講生がいなかったことから,日本語をベースにしつつ,一部英語を取り入れた授業を行ってもらいました。

三浦先生には,「ダンスの認知行動学(Cognitive behavioral neuroscience in dance)」という仮題で講義をお願いしました。当日は,三浦先生の最近の研究動向を踏まえる形で「Movement, Environment, and Language」というタイトルで講義して頂きました。

授業の前半では,ダンスの基本動作を対象にした音との同期現象に関する研究成果をご解説いただきました。初心者(非ダンサー)は,意図しないにもかかわらず音に引き込まれてしまう(音の制約を強く受けてしまう)のに対し,ダンサーはそうした制約から解放され,意図した動きを維持できることを,様々な行動現象を通して解説されました。

授業の中では,研究から導き出された様々な格言などもご紹介いただき,大いに盛り上がりました。

後半の授業では,三浦先生の最近のご関心として, 熟練者の言葉を研究者の視点で解読するための研究についてご紹介いただきました。さらに,英語の勉強方法に関する三浦先生の考えについても,かなり時間を取ってご解説いただきました。英語発表や大学院受験を控える院生もおり,ここでしか聞くことのできない貴重な情報を得ることができました。

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