2022年4月23-24日に,第5回日本DCD学会学術集会が開催されます。
研究室から,博士後期課程3年の菊地謙君と私のそれぞれが,一般発表の部で発表をします。
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菊地君の発表は,若手優秀演題賞受賞演題としての発表です。自閉スペクトラム症の社会的相互作用の問題を,運動-社会性連関として捉える考え方に,近年注目が集まっています。菊地君はこの考え方に基づき,運動計画の障害が社会的相互作用の問題と関連することを立証するため,2つの選択肢のうち適切なルートを選択する「障害物回避のための行為選択」課題を作成しました。発表では,,障害物回避の事前動作であるリーチング動作に着目し,若齢成人の自閉傾向との関連性を検討した結果を報告します。
昨年度修了した,大鷲悠さんの修士論文の研究成果を発表するものです。不器用さの背景要因として,自己の行為結果の予測に関わる認知情報処理に問題があるという考え方があります(内部モデル障害説)。先行知見によれば,他者の行為を観察し,その結果を予測しているときにも,同じ情報処理が行われることが指摘されています。この性質を利用すれば,他者の行為予測能力を評価することで,自己の行為予測に関する情報処理の状態を簡便に評価できる可能性があります。そこで本研究では若齢成人を対象に,他者の行為予測能力が,自己の行為予測能力と関連性をもつかについて検討しました
共同研究者である北洋輔先生(4月より慶応義塾大学)が,運営に携わっている学会です。そのご縁もあり,昨年度,第4回DCD学会のシンポジウムにて話題提供をしました。その際には,認知科学的視点で見た不器用さの問題について,考え方のベースとなるモデルを提示しました。残念ながら,研究室独自のデータを提示することができなかったため,本年度,一般発表としてそのデータを説明するというのが,発表の大きなモチベーションとなっています。学会発表を通して多くの人と議論できるのを楽しみにしています。