授業改善「裏側潜入レポート」

小林先生

「材料の力学第二Ba」(2015年度前期 理系共通基礎科目)
 授業担当者:小林 訓史 准教授(現:教授) (都市教養学部 理工学系 機械工学コース)

多くの工学分野の基礎となるのが材料力学。その知識をきちんと身につけていることが、専門分野で学ぶ際には必須となっています。この材料力学を担当している小林先生に、指導のポイントについて語ってもらいました。
(「Study+2016春号(第3号)」より)

Q.「材料の力学第二Ba」はどのような授業で、どのようなことを目標にしていますか?

モノに力を加えると、どのような影響を受け、どのように変形するのか。それが力学で学んでいくことです。世の中にあるモノは、必ず何らかの力が加わっています。私たちが何かのモノを設計する際に強度を維持するためには、必要な部材で発生する抵抗力やひずみを算出するための知識が不可欠になってきます。このように理工学の分野では重要な意味を持つ学問なので、1年次から2年間をかけて、力学の「引帳、ねじり、曲げ」といった諸分野について学んでいきます。「材料の力学第二」は、そうした基礎的な学問の最終段階と言えます。3年次以降はここまで学んだ内容を踏まえ、一次元から二次元、三次元の力学へと拡張していくことに。そのためにも、しっかりと学んでもらいたいと思っています。

Q.授業ではどのようなことに取り組み、どのような改善を行っていますか?

大学の講義の理想は、学生がしっかりと予習を行い、そこで得た疑問を講義で教員にぶつけた上で復習につなげていくことだと思っています。アクティブ・ラーニングの考え方を取り入れた講義スタイルですが、実際にはこの講義を受ける学生はまだ年次も低く、そこまで能動的な学びの習慣が身についていません。そこで私の講義の冒頭で必ず行うのが小テストです。前回の授業内容を中心に出題する簡単なものですが、この小テストが必ず行われることを学生も認識しているので、復習を欠かさないようです。また私の講義では計算過程をすべて黒板に書いています。結果だけでなく過程も学生に理解してもらいたいので行っているのですが、解きながら書くのでどうしても字が乱暴になってしまいがちです。その点は学生からも指摘されるので努力はしていますが。学生が書き写すうちに計算のノウハウを身につけてくれればと思っています。

Q.この授業で今後取り入れたいこと、また授業を履修する学生に伝えたいメッセージはありますか?

テストなどの工夫が功を奏しているのかは分かりませんが、今年度は講義中に学生から多くの質問を受けました。もしかすると、「理工なんでも相談室」という院生による学習サポートの効果などもあるのかもしれません。私がその場では答えられないような質問を投げかける、意識の高い学生もいます。そうした学生には回答に加えて、材料力学だけでなく設計に関する本を読むように勧めるといったことも行っています。材料力学は工学の基礎となる重要な学問です。今後は学生の理解度を深めるためにも、実際のモノを授業で使用できればと思っています。「どの程度の力を加えるとどれくらい曲がるのか」といったことを視覚的に理解できるよう、簡単な実験装置などを用意したいですね。

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