授業改善「裏側潜入レポート」

kawahara

「バイオテクノロジー」(2013年度前期 教養科目群)
 授業担当者:川原 裕之 教授 (理工学系生命科学コース)

さまざまな分野の科目を開講している教養・基盤科目群はいろいろな学部・学系の学生が履修しています。川原先生担当の「バイオテクノロジー」もその一つ。どのようなスタンスで授業に臨まれているのか、その裏側に迫ります。
(「Study+2014春号(創刊号)」より)

Q.「バイオテクノロジー」とはどのような授業で、どのようなことを目標にしていますか?

バイオテクノロジーはいわゆる一般教養科目であり、履修する学生の専門分野はまちまちです。そうした中で私の授業では、まずバイオテクノロジーに興味を持ってもらうことを主眼としています。そのためにニュースでも話題になり、学生も関心を持っているような題材をテーマに授業を進めていきます。近年であればiPS細胞を題材に、万能細胞の確立に至る研究の流れや再生医療における最新のバイオテクノロジーを解説。その研究開発に関して、まずどのような部分に着目し、目標に到達できたのかを伝えていきます。特に知ってもらいたいのは、失敗を重ねながら目標をめざしたプロセスの部分です。この授業を通じてバイオテクノロジーを含む自然科学に興味を持ってもらうと同時に、何か新しいことに触れたと感じてもらえればいいですね。またこの授業で実例として取り上げた興味の見つけ方や、その発展のさせ方は、幅広い分野に応用できる考え方であり、視点であると思います。

Q.授業ではどのようなことに取り組み、どのような改善を行っていますか?

学生の理解度については、常に意識しています。難しすぎても、逆に簡単すぎたり既に知っている内容であっても、学生は興味を失ってしまいます。学生が学びたいと思うような水準であるように、普段の授業での反応を参考にしつつ、内容を常に微調整しています。その際に役立つのが授業終了後に書いてもらうアンケートです。多くの感想や意見が書き込んであり、非常に参考になりますね。また細かな部分では、理工学系の学生ばかりではないので、専門用語はなるべく使わないよう、言葉の選び方にはとても気を配っています。

Q.この授業で今後取り入れたいこと、また授業を履修する学生に伝えたいメッセージはありますか?

他の教養科目と同様に、私が担当している「バイオテクノロジー」は非常に広範囲な分野であり、この授業を学んだからといってバイオテクノロジーのすべてが理解できるわけではありません。そうした中で常に学生の知的好奇心を刺激する題材を選ぶことで、この分野への興味を持ってもらいたいと思っています。できればいくつかのトピックスを題材にして、より幅広い興味を持ってもらうことが理想です。また、教養科目という性格上、専門的な内容まではなかなか踏み込むことはできないのですが、それでも授業の終わりになると私のところに質問に来る学生がいたり、さらに深い分野を学びたいと言ってくる学生がいます。『興味』を自ら掘り下げていくことは、能動的な学習への第一歩であり、その糸口を本授業で提供できればと思います。

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