「エスニックタウン」池袋の景観からみる日本社会と移民

(阿部・川瀬・吉元:研究班A「移動と復元」)


 JR池袋駅北口周辺には、華僑を中心とする海外からの「移民」が深く関わる商業施設が集中しており、「池袋チャイナタウン」として各種メディアで紹介されるようになっている。2010年度の調査では、街路の景観および店舗の分布状況の実地調査およびエスニック料理店経営者を対象とした聞き取り調査を行った。周辺の飲食店全体のおよそ2割を占めるエスニック料理店の醸し出す「エスニックな」街の景観は、横浜中華街などのように計画的につくられたものではなく、魅力的な店づくりを希求するそれぞれの経営者たちと、日本人客や日本人経営者との不断の接触と交渉、そして対立や共生の中で日々つくりあげられている。





(写真上)池袋の中華料理店  (写真下)池袋の中華物産店