本文へスキップ

知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

セラピスト向け情報発信ページ

#752 本学プレミアムカレッジでの講義

8月4日に本学プレミアムカレッジの講義を担当しました。プレミアムカレッジは,50歳以上の方々の生涯学習を支援するために設置された,本学独自の制度です。とても人気があり,定員を大きく上回る入学希望者数が集まります。制度の詳細はこちらをご覧ください


本学プレミアムカレッジ所属の児玉謙太郎先生(認知科学)は研究仲間であり,現在多くの研究を共同で行っています。今回,児玉先生の発案で認知症や転倒予防に関する講義を3名の話題提供者により行うこととなりました。私以外の話題提供者である桜井良太氏(東京都健康長寿医療センター研究所),ならびに安田和弘氏(東京保健医療専門職大学)は,いずれもヘルスプロモーションサイエンス学域の修了生であり,現在この分野をリードする若手研究者として活躍されています。

桜井氏からは認知症に関する基礎知識や研究成果について話題提供がありました。認知症は見た目の印象や難聴の度合いである程度予測できることがわかっています。なぜ見た目や耳の聞こえ方が認知症と関連するのかについて解説がありました。このほか,認知症予防に関する日常生活行動についても解説がありました。

安田氏からは転倒予防に関係する支援技術開発の紹介がありました。体験型のデモンストレーションとして,歩行の速度を上げたりリズムを安定させたりすることを目的としたハプティック情報提示システムをご紹介いただき,その開発経緯について解説がなされました。

私からは転倒予防につながる運動の調整力に関する話題提供をしました。運動の調整力とはどのような概念化を解説したうえで,姿勢調整に関わる感覚入力の役割を体験するデモンストレーションや,歩行の調整力向上を目指したバーチャルリアリティシステムの開発過程などを説明しました。

プレミアムカレッジの担当は,研究成果の社会還元や地域貢献を考える上で非常に意味のある活動です。さらに今回は,研究仲間の最近の研究観やプレゼン技術を学ぶ機会にもなりました。児玉先生のオーガナイズに感謝しています。

目次一覧はこちら