私たちが所属する人間健康科学研究科・ヘルスプロモーションサイエンス学域では,2023年1月23日に修士論文の最終審査発表会,1月27日に博士論文の最終審査発表会が実施されました。Zoomを用いたオンライン形式の発表でした。樋口研究室からそれぞれ1名の発表がありました。二人とも,長い時間をかけて行った実験の成果を,専門外の聴衆にも理解できるよう,工夫して話をしてくれました。
段差のまたぎ動作をおこなうための主要関節の協調性(相補的な連動関係の構築)に着目し,バーチャルリアリティ(VR)環境下での動作調整経験によって,協調性を向上できるかについて検討した研究です。研究室で保有する2面大型スクリーンのVRシステムを用いました。対象者は,歩行速度と同程度の速度で映像が流れ,近づいてくる段差をできるだけできるだけマージンを少なくして避ける(足を高く上げ過ぎない,でもぶつからない)ことが求められました。3つの実験結果に基づき,試行開始後に段差の形状が複雑に変化する条件(すなわち,左右の足を挙げる高さを事前の計画から修正しないといけない条件)で一定の練習を積むと,その後の関節協調性が高まることを報告しました。将来的に高齢者を対象に実験するための基礎知見を提供してくれました。