セラピストにむけた情報発信



第18回国際生態心理学会@ミネソタ大学



2015年7月21日
7月14-18日に,アメリカのミネソタ大学にて第18回国際生態心理学会(ICPA)が開催されました。2年に1回,アフォーダンスの概念を重視した研究者たちが集まる学会です。

私は2007年に横浜で開催されて以降,ほぼ毎回この学会に参加しています。学会ではいつも,研究仲間であるJeffrey Wagman氏(イリノイ州立大学)のサポート役として,シンポジウムを企画して話題提供をしています。

今年度は「Smart perceptual instruments and perception of affordance」というタイトルでシンポジウムを行いました。私たちの知覚システム(主としてアフォーダンスを知覚するシステム)を“Smart perceptual instruments”と位置づけ,その特性に関する4つの話題提供がなされました。詳細は以下の通りです。

1. The polar planimeter in us all
  (Brandon J. Thomas & Michael A. Riley)
2. Use your (smart) head! Cephalic perception of affordances of surfaces
  (Jeffrey B. Wagman & Alen Hajnal)
3. Locomotion through apertures as the person-plus-object system: When the body is off the center.
  (Takahiro Higuchi, Maki Chiba, & Masashi Kusumi)
4. Action experience facilitates recalibration to changing affordances when squeezing through doorways.
  (John M. Franchak & Karen E. Adolph)

私の話題提供は,ホンダ技術研究所と共同で行った隙間通過行動に関する研究紹介でした。修士課程に在籍していた千葉真樹氏の協力のもと,身体中心位置が拡張物の中心と一致していない状況での隙間通過行動を,ドアとの接触率,視線行動,三次元動作解析の観点から分析したものです。応用的なアウトプットを目指した基礎研究という観点が比較的珍しいことから,比較的多くの方に関心を持っていただけたように思っています。

今回ご一緒したシンポジストたちはいずれも,若くて精力的に研究を行っている人たちばかりです。特に,4番目のシンポジストのJohn Franchak氏については,私たちの研究室とも研究の関心がとても近いことから,ホームページ上や書籍の中でもたびたびその成果を紹介しています


国際学会ではいつもいろいろな刺激をもらいますが,特に今回はシンポジウムのメンバーとの交流が今まで以上に印象深く,良い財産になりました。

     
     (左から)Jeff Wagman, 樋口, Brandon Thomas, John Franchak

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