セラピストにむけた情報発信



2人の修了




2015年3月24日

本年度,私の研究室から2人の修士院生が修了いたしました.2人とも,研究室の主テーマである隙間通過研究に関して修士論文を書いてくれました。

●千葉真樹,「拡張物を伴う歩行時の隙間通過行動と接触軽減方法の検討」
  • 本田技研工業株式会社との共同研究(2011-2012年度)のテーマを,私達独自のやり方で発展させてきた研究です。自動車の車両感覚に関係する諸問題を,歩行中の隙間通過行動から探ろうと試みました。歩行器を利用することで,自動車で起こりうるような拡張状態を疑似的に再現して,隙間通過行動の三次元動作解析や視線解析を行いました。

●岡田りさ,「隙間通過行動から見る高齢者の適応的歩行能力」
  • 高齢者の歩行がどれほど適応的なのかを検討するため,平行棒を様々な条件で持ってもらいながら,狭い隙間を接触しないように通過してもらいました。私たちの研究室で独自に高齢者研究を行ったのは,この研究が最初です。歩行能力が比較的高い高齢者の方々にご参加いただき,様々な制約に対してどの程度適応することができるのかについて,詳細に検討しました。

2人とも,2月末に実施されたHuman Movement研究会において,研究室代表として成果の発表をしてくれました。

大学院生との研究で大事なことは,必ずしも研究成果ではありません。一緒に研究していく過程を通して,お互いが成長できる関係を築くことが大事なことであると,今の私は考えています。本年度修了する2名の院生とは,そうした関係を築くことができたという実感があり,とても幸せに思っています。

修了後も,こうした関係が末永く続くことを願うとともに,今後もすべての院生たちとも同じ想いを共有できるよう,努力していきたいと思う次第です。指導教官として,理想像とはほぼ遠い状況だなと自覚しつつも,経験を通して前進していきたいなと思っています。



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