セラピストにむけた情報発信



時間学セミナー in 慶応
「スポーツの認知神経科学-身体運動,知覚,そして時間」




2014年8月12日

8月11日に,慶應義塾大学にて,無料公開シンポジウム「スポーツの認知神経科学-身体運動,知覚,そして時間」が開催されました。

主催者は,私が昔から仲良くさせていただいている,山口大学の宮崎真氏,慶應義塾大学の加藤貴昭氏,そして,先日運動生理学会でご一緒させていただいた,慶應義塾大学の牛山潤一氏です。

国内外で活躍される若手の日本人研究者6名が発表されるということもあり,120名定員の会場が埋め尽くされるほど,多くの参加者が来訪されました。

プログラムの詳細は,こちらをご覧ください

いずれの話題提供者も,本来は認知神経科学に立脚した,基礎的な研究を行っています。しかし今回は,スポーツを対象としたシンポジウムですので,各発表者とも工夫に富んだ形で,ご自身の研究をスポーツと結び付けて話題提供されました。

野球のバッターを例に挙げると,「好調時にボールがゆっくり見えるというのは,どのような現象か?」,「ボールのコースや球種を的確に予測するとき,脳はどのように活動するのか?」といったことが,基礎的実験の成果に基づく展望的解釈として解説されました。

歩行のニューロリハビリテーションで著名な,東大の中澤公孝氏ですら,今回ばかりは野球好き男子としての発表です。大人に換算して時速150kmのボールを,スーパー小学生が打ててしまうという経験的事実に基づき,それにまつわるデータや先行知見が紹介されました。中澤氏のもとには,元巨人軍の桑田真澄氏が研究生として所属しています。今後は,野球に関する認知神経科学的な話題も,研究室の看板テーマとして量産されるのだろうと期待されます。

今回私は,聴衆の一人としての参加でした。もしこのシンポジウムがシリーズ化されるようでしたら,是非話題提供者として,国内の優秀な方々とコラボしてみたいと強く感じました。

こうした魅力的なコンテンツを発信された3名の主催者に,心から敬意を表します。

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