セラピストにむけた情報発信



学会報告:第22回日本運動生理学会 
 




2014年7月22日

7月19-20日に,川崎医療福祉大学にて,第22回日本運動生理学会が開催されました。

今回は運動制御部門のキーノートレクチャーとして,話題提供をいたしました。「歩行の視覚運動制御:その予期性」というタイトルのもと,約25分間にわたって,隙間通過行動を用いて行った研究成果を発表いたしました。

私の研究は行動分析的なデータが多く,運動生理学的な知見があるわけではありません。しかしながら,聴衆の先生方は皆,博識が高く,発表中や懇親会の席にて,有意義な議論をすることができました。

運動生理学会におけるキーノートレクチャーは,各部門とも,2人の話題提供者が話題を提供いたします。運動制御部門におけるもう一人の話題提供者は,慶応大学の牛山潤一先生でした。

牛山先生の話題提供では,脳波と筋電図の律動性に関する研究成果が紹介されました。

脳波と筋電図という2つの時系列信号の相関を算出するという手法(コヒーレンス解析)を用いて,筋活動を調整する神経系の活動変調ストラテジーを検討するというのが,今回発表されたデータの特徴です。

一連の実験結果から,皮質-筋システムが,収縮強度に応じて相関強度を高めていることや,筋疲労補償のために活動リズムを調節する可能性があることなどが報告されました。

学会ではこのほかにも,モーニングレクチャーとして京都大学の神崎素樹先生のご発表を聞くことができるなど,運動制御に関する充実したプログラムが組まれていました。今後も有益な情報交換の場として,継続して参加できればなと考えている次第です。



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