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ジャック・デリダ『コーラ──プラトンの場』守中高明訳、未來社、2004年
廣瀬浩司

「コーラ」とは、プラトンの宇宙創世論『ティマイオス』の用語で、場所のこと、それもたんなる空虚な場ではなく、そのなかに何かがあったり、誰かが割り当てられて住んでいるような場所のことである。製作者であるデミウルゴスは、範型となる形相を眺めながら、それをモデルとして感覚的な似像を作り出すのだが、そうした似像がかたち作られたり、刻み込まれたりする「場」、それがコーラと呼ばれるのである。→続きはこちら

初出= 「ジャック・デリダ『コーラ──プラトンの場』──場のおののきを聞く」『10+1』(INAX出版)、 no. 35, 44-46頁、2004年。
テンプラスワンデータベース:http://tenplusone-db.inax.co.jp/backnumber/article/articleid/1018/