セラピストにむけた情報発信



講演@旭川リハビリテーション病院




2012年9月25日

9月22-23日に,旭川リハビリテーション病院にて講演を行いました.

この講演は,2月に札幌にて開催されたHuman Movement研究会の際,旭川リハビリテーション病院の本澤征二先生と神田千絵先生にご挨拶させていただいたことが縁で実現しました.

今回の企画は,2日間にわたる2部構成の企画でした.

第1部は私からの講演スタイルであり,「視覚情報と身体運動」というタイトルのもと,3
時間の講演を行いました.

講演では「知覚認知と身体運動の不可分性」,「視覚情報に基づく歩行の予期的制御」,「視線と行動」,「環境と身体の関係性の知覚」などの話題を提供いたしました.

第2部は,症例検討に基づくワークショップへの参加でした.4名のスタッフの方々の発表に基づき,スタッフの方々のグループディスカッションが行われ,その後に私がコメントする,という形式で進行しました.

私自身,こうした症例検討に参加させていただくのが初めての体験であったため,良い刺激をいただきました.特に,イスに座るという動作の際,正しい位置から動作を開始することが極端に苦手な症例,すなわち,身体と環境物との関係性が知覚できていない症例に対して,どのようにアプローチされるのか,という事に対する議論は大変有意義でした.

この質問は,フロアの方々に対して,私の方から提案させていただいたものです.これに対して,臨床経験が20年前後の方々3名から,それぞれ独自の立場から異なるアプローチ法の紹介がなされました.具体的には,「イスという環境物自体を多角的に知る機会を提供する」,「イスに座る動作のタスクに切り替える(イスを片付けるなど)ことで,関係性を知覚させるきっかけを与える」,そして,「いったんイスから離れて,下肢の固有感覚を高めてから再度アプローチする」といった提案です.

1つの動作に対してこれだけ多角的なアイディアが創発されたディスカッションは,特に臨床経験の浅い方々には良い情報提供の場だったのではないかと考えています.

今回の講演は,スタッフの皆様の非常に好意的な反応のお陰で,とても気持ちよく進めることができました.賑やかな懇親会も思い出深く,今後も旭川リハビリテーション病院の皆様と交流を継続していければよいなと思っています.



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