セラピストにむけた情報発信



埼玉県みさと総合リハビリテーション病院,院内研修会




2011年12月11日

12月2日に,埼玉県みさと総合リハビリテーション病院の院内研修会にて講演を担当いたしました.「歩行の視覚運動制御」というタイトルのもと,2時間にわたる話題提供となりました.院外の参加者の方も含めて,70名程度のセラピストの皆様にご参加いただきました.

最近はこのタイトルで講演をするときには,その冒頭において,「歩行の視覚運動制御を理解することは,リハビリテーションの中で適応的な歩行の制御を再学習してもらうための基礎知識となりうる」,という説明をしています.

こうした説明をするに当たっては,11月の歩行フォーラムでお会いした坂口重樹先生(誠愛リハビリテーション病院)が共著者となっている論文が,大変役に立ちます.

  • 「適応的歩行を再獲得するためには,ただリズミックにパターン化された歩行のみを繰り返し練習するのではなく,様々な環境下で身体内外の情報を適切にとらえ,目的や状況に即した,視線行動を伴った歩行運動の制御を学習できるリハビリが必要である」(林克樹・坂口重樹.脳卒中患者の歩行障害のリハビリテーション.Brain and Nerve 63,1239-1251, 2010)

講演後は比較的多くのご質問をいただきました.通常,私の講演は純粋に臨床的な話がないこともあって,講演時間内にフロアの方からご質問いただく数は決して多くありません.今回の講演では,多くの方から積極的に質問をしていただいたことで,私の説明不足の点を顕在化できました.残念ながら一部のご質問について,その場で正確に回答することができなかったため,後日メールにて回答することになりました.こうした経験は,少しずつ講演内容を改善するうえで大変貴重な経験です.

今回の講演の実現に当たっては,病院スタッフの小沼佳代さんと万治淳史さんに大変お世話になりました.小沼さんは以前から私たちの研究に積極的な関心を示してくださっており,親交があります.来年度から早稲田大学の大学院にてご研究されるということもあり,学術的な話題に対する興味関心も高いセラピストです.万治さんは現在,本学理学療法学科の社会人院生でもあり,私の大学院講義にもご参加くださっております.

また講演後は,科長の諸持修さんや,当日のコーディネーターをご担当くださった佐藤里美さんをはじめ,10名近いスタッフの方々と懇親する場をいただきました.全体として若いスタッフの方々が多く,研究領域の話題にも積極的な関心を示してくださり,大変心地よい雰囲気の中で講演をすることができました.

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