スタッフの研究内容

森弘之

極低温量子凝縮系の特異な性質

(1) 原子凝縮系の新奇なふるまい
極低温で閉じ込められた原子系、とくにボゾン原子とフェルミオン原子が混在する量子凝縮系において、特異な相や統計力学的性質の解明を目指している。 この原子系は、周期的ポテンシャルやランダムネスを導入することも可能なことから、固体物理との類似性も高い。さらには原子間相互作用を人為的に操作することもでき、従来の固体物理では実現できなかった基本的物理モデルにまで拡張した議論が可能になりつつある。

(2) 機械学習を用いた量子系の解析
機械学習や深層学習を物理学に応用する方法を探索している。とくに量子系の物性解明の手法として従来より知られていたシミュレーション技法に機械学習を応用したり、基底状態の性質を深層学習を用いて導出したりする可能性を調べている。

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荒畑恵美子

超流動と超伝導の理論的研究

(1) 冷却原子系の超流動
極低温の冷却原子系超流動、とくに凝縮している超流動と凝縮していない非凝縮体が混在する有限温度での超流動の特異な性質を調べている。 冷却原子系は制御性の良さから、実験との比較がしやすい。実験で実現可能なパラメーターでのシミュレーションを適宜とりいれることで、 非凝縮体が存在しないとおこらない超流動の新奇な性質の解明を目指している。

(2) 鉄系超伝導
鉄系超伝導とは2008年に発見されたL超伝導でいずれもFeを含む二次元伝導面を持ち、室温超伝導への手がかりを与える候補物質として注目されています。 超伝導状態は古くから対称性によって分類されてきました。次元超伝導体の体系的な対称性による分類と, 分類された超伝導の実現性について研究しています

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大塚博巳

相転移の基礎理論と計算物理学的アルゴリズム開発

ゆらぎの大きな低次元量子系やフラストレーションのある古典スピン系の相転移や臨界現象などを場の理論やくりこみ群の方法を用いて研究している。研究手段として、これらの解析的なアプローチと共に、計算物理学的な手法を併用することで、低次元系ならではの新奇相や相構造に対する定量的な議論とその解明に取り組んでいる。また新しいモンテカルロアルゴリズムや特に低次元系に有効な数値的手法の開発なども推進している。

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