*** 脳の仕組みについて研究 ***

   生物の行動に関わる情動・覚醒・ストレス・自律神経の働きを調節する仕組み

   生体内外からの刺激に対して生体の恒常性を維持する仕組み
  

  これらを制御している脳のしくみはどのようになっているのか?
              ↓
     生理学(
機能)と組織学(構造)の両面から解明

★ 研究テーマ ★

運動と情動の脳科学、環境とストレスの脳科学

 ●キーワード:ストレス反応、情動行動、自律神経、呼吸調節、視床下部、大脳辺縁系

  ストレス・覚醒・情動反応の脳内メカニズム

運動はストレスの解消や気分の改善によく使われますが、必ずしもよい効果が得られるとは限りません。運動中の脳のはたらきを調べることで、運動の有効性が理解でき、さらには、うつ病や認知症の予防・改善にも役立つはずです。また、環境をうまくコーディネートすることで、こころの健康(いやし)が得られるはずです。

主要なテーマとして、ストレスに伴う覚醒の神経機構、運動と情動反応の神経機構、循環反応とストレスなど取り上げ、神経薬理学的、電気生理学的、組織学的手法を用いて覚醒反応や情動行動の神経機構について研究しています。

最近では、運動や環境要因によって摂食行動が変化するメカニズムに興味を持っています。これがわかれば、生活習慣病(特に肥満、糖尿病など)、拒食・過食などの予防に利用できるのではないかと思っています。

●  呼吸循環の神経性調節に関する研究

ストレスや環境によって呼吸の仕方や血圧・心拍数は変化します。延髄の呼吸・循環中枢には末梢からの生体情報に加え、上位脳からの入力があり、その応答は一様ではありません。そこにはさまざまな神経メカニズムが関係しているはずです。

現在、あくびに興味をもっており、あくびがおこるメカニズムや意味について、脳神経活動、自律反応、脳波変動から検討しています。あくびもりっぱな呼吸です。

もうひとつ、姿勢制御には体性感覚、前庭、視覚などが重要なのですが、同時に呼吸循環反応も変化することを知っていますか。これは姿勢の維持には呼吸や循環反応が重要であることを示しています。よい姿勢、よい呼吸、よい精神状態の3つが互いに影響しあう脳のしくみに興味を持っています。

紹介パンフレット(PDF)