NMRを用いた高分子量蛋白質,蛋白質複合体の解析法の研究
- テーマ 1
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高分子量蛋白質のNMR解析の際には,回転相関時間の増大に伴うシグナル強度の低下と,シグナルのオーバーラップの問題を解決する必要がある. 近年の方法論的な進歩によって10年前は20kDa程度であったNMRの「分子量の壁」が,現在では50kDa程度まで引き上げられつつある. 当研究室では,さらに高分子量の蛋白質,蛋白質複合体のNMRによる詳細な解析を目指して,
- 蛋白質の選択的安定同位体標識法の研究
- NMR測定法の研究
- データ解析法や高次構造計算法の研究の2つ
* 下記参照
NMRを用いた膜蛋白質の解析法の研究
- テーマ 2
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細胞は細胞膜を通して非常に洗練された物質と情報のやりとりを行っている. 細胞膜上に存在する多数の「膜蛋白質」がこの機能を担っているが,構造生物学的アプローチからの解析は未だ十分とは言えない. 当研究室では,ミトコンドリア膜を通じた鉄関連物質の輸送に関与しているABC輸送体膜蛋白質に注目し解析を行っている. 主として生物工学的,蛋白質化学的なアプローチと,NMRの方法論的なアプローチから,ABC輸送体の分子機能発現のメカニズムに迫る. 詳細はこちら.
In-cell NMRを用いた蛋白質の細胞内動態の解析
- テーマ 3
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In-Cell NMR法には, ①生細胞におけるターゲット蛋白質の特異的発現誘導と安定同位体標識 ②NMR測定の感度増大の2つの要素技術の確立が必須である. 当研究室では,既に生きた大腸菌中のカルモジュリン蛋白質の詳細なNMR解析に成功しているが, 今後はさらにこの手法を高度化することで,様々な蛋白質に普遍的に適用可能な「in vivo構造生物学」とでも言うべき新しい学問分野の開拓を目指す.
詳細はこちら.
蛋白質立体構造計算のための分子動力学計算法の改良
- テーマ 4
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CYANAというNMR構造計算ソフトウェアの開発を進めています。 詳細はこちら.
NMR全自動構造解析手法の開発
- テーマ 5
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FLYAという全自動構造解析ソフトウェアをFrankfurt Goethe大学 Peter Guentert教授と共同で開発を進めています。 詳細はこちら.
機械学習、最尤推定を用いたNMRシグナルの自動認識手法の開発
- テーマ 6
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Kernel PCAで特徴量を抽出し、Support Vector Machineでシグナルとノイズを判別するプログラムの開発を行っています.