セラピストにむけた情報発信



理学療法士講習会【基礎編・理論】@徳島




2016年6月20日
6月19日に,徳島文理大学にて,理学療法士講習会【基礎編・理論】の話題提供をいたしました。

この研修会にお邪魔するのは,6年連続6回目となります。例年,畿央大学の森岡周先生とのコラボとして企画されています。

以下,森岡先生の話題提供テーマでありました「認知神経科学に基づく疼痛リハビリテーション」について,概要をご紹介いたします。

痛みは従来,筋骨格系に対する侵害刺激を感受したことで生じると考えられてきました。これに対して近年の研究成果は,特に慢性痛については,刺激に対して脳がどのように解釈したのかといった知覚的側面や,どのような心理状態にあるのかといった情動的側面による生み出される場合があることを示しています。つまり,痛みは脳によって生み出されている,ということになります。

もしも痛みの主要因が筋骨格系に関する感覚的要因(特に急性痛)であるならば,痛みの緩和には鎮痛薬の利用が有効です。これに対して慢性痛の場合には,知覚的・情動的側面が主となりえます。そうなると,鎮痛薬以外の治療法が有益となります。

講演では,痛みの情動的側面・認知的側面それぞれに対して,どのようなアプローチが可能なのかについて,数多くの情報が提供されました。国際的に著名な研究について,初学者にもわかりやすく解説してくださいました。さらに,森岡先生自身の最新の研究成果についても,その概要や意義を紹介してくださいました。

3時間の講演時間があっという間に感じられるほど,話題提供のテンポもよく,成熟された講演に魅了されました。冒頭10分近く,スライドが投影されないアクシデントがありましたが,そうした影響を感じさせず,そつなく対応する姿も勉強になりました。

講演会場は,昨年度リニューアルされたアカンサスホールでした。コンサートや演劇に最適な会場です。こうした特別な会場で話題提供ができるだけでも,とても貴重な経験です。

この研修会では例年,徳島県理学療法士会会長の鶯春夫先生に大変お世話になっております。また今年は,以前から親交のある平島賢一先生や,司会をご担当いただいた井関博文先生,若手スタッフとして福島翔太氏や三木蘭氏にお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。


(メインページへ戻る)