セラピストにむけた情報発信



県立広島大学訪問




2015年12月14日
12月12-13日に,県立広島大学保健福祉学部理学療法学科にお邪魔しました。

12月12日は広島県理学療法士会・尾三支部主催の講演を担当いたしました。

「姿勢と歩行」というタイトルのもと,3時間にわたって話題提供をいたしました。100名を超える方々にご参加いただきました。理論的背景としてご紹介した「環境との相互作用」,「学習の特殊性」いった話題について,特に関心を持っていただけたように感じています。

講演には,理学療法士の方々に加え,広島大学の運動生理学・スポーツ心理学分野の大学院生の方々も参加されました。研究者として他領域に情報提供をするための参考になればよいなと思い,話題提供の中でも,具体的に研究者がどのようにセラピストの皆様をサポートできるのか,といったことを意識して説明したつもりです。

12月13日は,県立広島大学の関係者の方々との研究交流会を行いました。島谷康司氏,長谷川正哉氏,そして大山リハビリテーション病院の松浦晃宏氏の3名の先生方から話題提供があり,様々なことをディスカッションしました。

島谷氏はもともと小児リハがご専門ということで,小児リハにかかわる様々な研究をマルチで行っています。特に,工学系研究者との連携がうまく取れており,様々な装置開発につながっています。当日はこうした小児研究とは異なる新しい試みとして,立位姿勢改善に寄与するlight touchを,バーチャルに再現する試みについて話題提供されました。

長谷川氏は,知覚入力型のインソールの開発と検討に関して報告されました。一般に,インソールは生体力学的な観点からみて理にかなった動きにようにデザインされます。これに対して長谷川氏が開発したインソールでは,足底のいくつかのポイントに小さな突起物を設けて,その刺激の入力に対する知覚を通して正しい動きを引き出すということを目指しています。工学的な装置開発を絡めてさらに発展させようとしている構想について伺いました。

松浦氏は,前庭への経頭蓋直流電気刺激(tDSC)を利用することで立位姿勢制御の調整を促進させる試みについて発表されました。昨年度から県立広島大学に赴任された森大志先生との共同研究です。頭部に微弱な直流電流を一定時間通電することによって,脳神経活動を修飾することが期待されています。比較的新しい試みであり,将来的なリハビリへの応用を期待させる成果についてご紹介いただきました。

アクティブに研究されている皆さんとのやり取りで,大きな刺激をもらいました。なお本年度より,修士まで島谷氏の研究室におられた後藤拓也氏が本研究室に入ってくれました。後藤氏の研究が私の研究室でさらに発展できるよう,うまくサポートできればと改めて思った次第です。


     


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