セラピストにむけた情報発信



【参加報告】第50回日本理学療法学術大会




2015年6月7日
6月5-7日に,第50回日本理学療法学術大会に参加いたしました。

初日のオープニングイベントとして開催された大会シンポジウム,「歩行の制御とその障害」にて,話題提供を担当いたしました。このシンポジウムは,福井勉氏(文京学院大学)のオーガナイズのもと,高草木薫氏(旭川医科大学),山本澄子氏(国際医療福祉大学),および私の3名が話題提供者として発表しました。

当日は3者がそれぞれ異なる立場から,歩行の制御とその障害について情報を提供しました。高草木氏は神経科学的知見,山本氏は生体力学的知見,私は知覚・認知運動制御の知見を紹介しました。

私の話題提供ではまず,そもそもの歩行に対して知覚・認知的にアプローチするというのは,具体的にどのように研究することになるのかについて,解説をしました。知覚・認知的なアプローチでは,運動を制御するために必要な情報の流れを解明することが,仕事の一つとなります。発表では,特に視覚情報が歩行にどのように利用されているのかについて,我々が検討した研究成果について報告をしました。

この学会は,参加者数が1万人と,けた外れに大きな学会です。噂には聞いていましたが,本学会のオープニングシンポジウムは特に観客数が多く,2000人の参加者がいらっしゃったと伺っています。私にとっては,一生に一度あるかないかの,大きなイベントでありました。

今回,学会に初参加できたため,できる限り多くの発表を拝聴いたしました。私たち研究領域の参加者がみても大変興味深い発表が数多くあり,一日があっという間に感じられました。

また学会では,いつもお世話になっている理学療法士の方々や,Facebookなどで繋がっているものの,直接の面識がなかった方々など,数多くの方々とお話をする機会に恵まれました。

その中でも,新刊本「姿勢と歩行:協調からひも解く」の共著者である建内宏重氏,および三輪書店編集部でいつもお世話になっている濱田亮宏氏との会食は,とても印象深いイベントでした。出版後(正確に言えば原稿脱稿後)から初の再会ということもあり,いろいろな話題で盛り上がりました(写真をご参照ください)。

これまで10年近くにわたり,研究の成果をリハビリテーションの領域に還元するための様々な活動を行ってまいりました。私にとって今回の学会参加は,一度そうした活動を総括するような思いがあり,とても貴重な体験でした。

     


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