セラピストにむけた情報発信



講演:DMM研修会プロフェッショナル講習会@浜松




2014年11月17日

11月16日に,静岡県浜松市にて,DMM研修会プロフェッショナル講習会として,講演をいたしました。DMM研修会は,若き理学療法士,森晃大氏が主宰されています。今回,研修会として初めて外部講師を招くということで,僭越ながら話題提供をいたしました。

今回は,通常の講演とは趣向を変え,コミュニケーションに焦点を当てて,心理学的な運動支援のサポートについて話題提供をいたしました。

5時間の講演時間を使って,次のような内容を紹介いたしました。

・コーチング入門:やる気を引き出すコミュニケーション
・褒めることの功罪
・言葉を用いたコミュニケーションの難しさ
・アフォーダンス:環境が引き出す運動の側面を考える
(言語指導に過度に依存しないために)

どんなに強力で科学的根拠に根差した治療や介入方法があったとしても,誰がそれを実施するのかによって,その効果が得られないことだってあるはずです。そうした背景の一つには,担当者と患者(クライエント)の信頼関係・ラポール形成の側面があるように思います。

今回の講演では,こうした問題意識のもと,コーチングとして求められる基礎知識について概要を説明しました。さらに,言葉を使ったコミュニケーションには様々な問題や注意点があることについても解説しました。最後に,言葉に依存しすぎないサポート方法として,アフォーダンスの概念に基づく環境設定の問題について話題提供をしました。

内容の一部については,拙著「運動支援の心理学」の第6章を中心に紹介しています。ご関心のある方はご参照ください。

DMM研修会は,少人数でアットホームな雰囲気の下で,議論を楽しむということに重きを置いています。発表時間の様々な質疑に加え,講演終了後も1時間近く様々な議論をすることができました。研究者としては,いただくご質問の一つ一つから学ぶべきことが数多くあり,今回も貴重な情報をたくさん得ることができました。

主催者の森氏は,様々なご苦労を乗り越えて,今回の講演を実現してくださいました。そのご活躍に敬意を表するとともに,今後の研修会の発展を心から祈念いたします。


 


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