セラピストにむけた情報発信



理学療法士講習会@徳島




2014年8月5日

週末は,大雨被害の続く四国地方の1つ,徳島県にて,理学療法士講習会(基本編理論)の講師を担当いたしました。

この講習会として徳島にお邪魔するのは,4年連続4回目となりました。毎回,畿央大学の森岡先生とコンビを組んで講演をしております。

私自身のテーマは,昨年発刊された拙著本のタイトルと同様,「運動支援の心理学:知覚・認知を活かす」という内容で,3時間の講演を行いました。今年度は,「身体感覚」と「注意」という2つのトピックに話題を絞って,お話をいたしました。

今回の記録的な大雨は,この講習会にも大きな影響を与えました。

午後の講演を担当される森岡先生が,会場入りできないというハプニングがありました。森岡先生は当時,高知県におりました。高知県での歴史的な豪雨被害により,道路・鉄道とも寸断され,徳島入りができないという状況となりました。窮余の策として,午後も私がフライトの時間まで講演をする・・・,という体制を整えざるを得ませんでした。

しかし,主催者の方々,そして森岡先生のプロ魂により,小さな奇跡が起こりました。スカイプを利用することで,高知からの遠隔講演を実現させたのです。

「今時,スカイプをつかった遠隔プレゼンなんて,珍しくない」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしそれは,事前に周到な準備をしている場合の話です。当時,森岡先生は徳島へ向かうための車中でした。スカイプどころか,ネット環境すら,ままならない状況でした。一方,会場の徳島文理大学おいても,既存のスカイプ環境はありませんでした。午後の講演開始まで1時間余りに迫り,突然スカイプ利用のアイディアが着想されるまで,誰もそうした講演を想定していませんでした。

しかし,そこからたった1時間で,双方がそれぞれ知力を振り絞って,実現に持っていきました。

森岡先生は,土佐リハビリテーションカレッジのお知り合いの先生に駆け込み,講演環境を作りました。一方,徳島文理大学では,運営サイドの一人である近藤慶承先生が,ゼロからスカイプ環境づくりを始めました。さらに,万が一スカイプ環境が間に合わなかったときの予備講演資料として,徳島県のPT協会会長である鶯春夫先生自らが,バックアップ用の講演資料の印刷等に走り回りました。

こうした努力が結実し,スカイプを利用して,森岡先生の講演が時間通りに始まりました。その現場にいたものとして,皆様の努力,そしてトラブル対処能力の素晴らしさに,感動を覚えました。

会場に来場された方々も,余りの雨量に,きっと帰りの交通を心配されていたと思います。しかしそれでも,ほとんどの方々が午後の講演まで残られていたようです。

このイベントに関わり,雨のトラブルに負けず,見事に仕事をなされた全ての皆様に,心から敬意を表したいと思います。なお,この講習会は,次年度も開催されます。今年感じた想いを忘れることなく,次年度も誠実に準備をしていきたいと思います。


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