セラピストにむけた情報発信




講演報告:長崎県,愛野記念病院
 




2014年4月21日

4月20日に,長崎県にある愛野記念病院さんで講演を行いました.

愛野記念病院さんでは,昨年の講演に引き続き,2回目の講演となりました.今回の企画は,作業療法士/ピラティス・インストラクターである,児島静香さんとのコラボレーション企画でした.

講演タイトルは,『身体感覚からみた運動支援-ピラティスによる実践的サポート、認知科学に基づく理論的サポート』というものでした.午前中に児島静香氏からのピラティスのレッスンがあり,それを受けて午後に身体感覚に関する学術知識をご紹介するという内容でした.

今回の児島静香氏のレッスンは,5名のピラティス・インストラクターさんが協力者としてそれぞれプログラムを提供されるという,とても豪華な内容となりました.

私も参加者の一人として,サーキット形式で提供される各プログラムを堪能しました.実際のところ,それぞれのプログラムは一定の負荷があり,普段訓練していない筋肉はすぐに悲鳴を上げてしまいました.

こうした経験を通して,「日常動作における自分の身体姿勢が,必ずしも最適な状態に保たれていない」ことや,「日常的にはあまり意識していない様々な筋肉の働きが,最適な身体姿勢を形作るのに重要である」こと,そして「おそらくは日常の姿勢が最適でない結果,そうした筋肉は日常生活の中では鍛えられていない」ことに気づかされました.

私自身は,『身体感覚と運動学習の認知科学』というタイトルにて,3時間の講演を行いました.児島氏のレッスンを通して,「たとえ健常者であっても,私たちの身体感覚は必ずしも客観的な身体状態を反映してはいない」ということを問題点として設定しました.そのうえで,私たちの身体感覚はどのようなメカニズムで生起するのかについて,認知科学的な研究成果に基づき解説しました.

児島静香さんとのこうしたコラボ企画は,鹿児島のNPO法人,Playersさんでの企画に続いて2回目となります.静香さんのレッスンは,研究だけでは得られない多くの刺激を提供してくれます.また,実験結果だけを示してもなかなか伝わらない身体感覚の問題について,レッスン中に体験したことと結び付けることにより,効果的に解説できるという実感があります.こうした実践的なレッスンとのコラボレーションを,今後も大事にしていきたいなと思っています.

昨年に引き続き,2度も講演のチャンスをくださった松本伸一氏,および関係者の皆様に,心より感謝申し上げます.

 


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