セラピストにむけた情報発信



市橋則明氏(編)「運動療法学」(第2版)

 


2014年2月10日

「運動療法学」の第2版が文光堂さんより出版されました.

この本は,京都大学の市橋則明先生が編著者としてまとめられた,500ページにもわたる本です.2008年に初版が出版されて以降多くの方々に愛読され,たった6年で第2版の出版となりました.

第2版では2つの項目が新規に追加されました.その1つの項目が,私が執筆した「視覚と運動制御」という項目です(もう一つは「痛みの基礎知識」です).

「視覚と運動制御」の項目では,視覚情報を通して遠方の環境情報を獲得すること,そして周辺視野を通して身体の状況についても知覚しておくことが,歩行の安全な制御に対していかに貢献しているかについて,解説いたしました.

字数制限の問題もあり,全てを網羅的に解説できたわけではありませんが,要点をコンパクトに伝えることはできたのではないかと思っています.

この本には,「科学的根拠に基づく」という言葉を真に反映した本にしたいという市橋先生の想いが詰まっているように思います.私も微力ながら,「臨床に触れることができない研究者であるがゆえに,客観的な情報を呈示できる」という自負のもと,市橋先生の想いに答えるように執筆したつもりです.

私は常々,「知覚・認知の知識が,運動学的な知識の1つとして当たり前のように扱われるようにしたい」と考えて,活動をしていました.その意味でも,運動療法学の中に私の章を加えていただけたことは,私にとって大変大きな経験でした.市橋先生には心から感謝を申し上げる次第です.

第2版では12項目で執筆者の変更があったこともあり,第1版とは大幅に内容が変わる部分もあります.初版をご覧になった方でも,新しい観点で楽しめる内容と思います.是非お手にとってご覧ください

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