セラピストにむけた情報発信



講演報告:第68回理学療法科学学会

 


2014年2月3日

1月26日に,国際医療福祉大学小田原保健医療福祉学部にて,第68回理学療法科学学会が開催されました.「歩行の視覚運動制御」というタイトルのもと,講演を行いました.

講演では,「視線行動」や「環境と身体の空間関係の知覚」のテーマに着目しながら,視覚情報に基づき歩行が予期的に制御されていることについて解説しました.

この学会には,国際医療福祉大学にゆかりのある方々のご参加が多く参加されています.参加者同士が顔なじみということで,比較的アットホームな雰囲気を感じました.当日は学部の4年生が全員参加されたそうで,学会発表と授業がミックスされたような雰囲気の中で講演を行いました.

他の先生のご発表から様々な刺激をいただきました.

午前中に特別講演をされた勝平純司先生(国際医療福祉大学)は,「静から動のバイオメカニクス」というタイトルのもと,主たる運動を行うにあたって付随的に起こる逆応答現象がなぜ有用なのかについてご解説されました.学生を意識し,国家試験対策としても有用な知識として,かみ砕いて説明されていました.内容もさることながら,わかりやすく発表するスキルとしても得るものがありました.

また個人のご発表の中でも,知覚・認知の問題に関連する話題も散見され,興味深く拝見することができました.特に,身体局所部位への振動刺激に対する姿勢応答の状態により,歩行能力が予測できるかもしれないという研究(伊藤忠先生,国立長寿医療研究所)は,私個人の研究の関心にフィットする話題であり,興味深く拝見しました.

今大会の大会長は,私の上司・今中國泰教授の下で博士号を取得した,渡辺観世子氏(国際医療福祉大学)です.今回の発表の機会を与えてくださった立役者であり,心から感謝をしています.

また司会を務めてくださった谷浩明先生には,私が大学院生の時代に運動学習系の研究会でご指導をいただいて以来,久々の再会となりました.こちらの発表の意図をうまく学生に伝えてくださる絶妙な司会でした.

今回の学会を通して,また新しい交流の輪が広がった気がします.関係者の皆様に感謝いたします.

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