セラピストにむけた情報発信



講演報告:日本ボバース研究会北海道ブロック 第11回症例発表会

 


2014年1月27日

1月25日に,日本ボバース研究会北海道ブロック 第11回症例発表会にて講演をおこないました.

「知覚認知と運動」というタイトルのもと,90分にわたり話題提供を行いました.講演では「分割的注意」と「学習」の2つの話題を対象に,様々な研究の紹介を行いました.

次の日に小田原で講演があったため,全プログラムに参加することはできませんでしたが,小児部門の発表2例について拝聴することができました.

1例は,脊柱の側弯が顕著な脳性麻痺者を対象として,側弯化に歯止めをかけつつ随意的な両手協調動作を獲得させるための介入についてご紹介がありました(関賢先生,札幌緑ヶ丘療育園).数年間の介入を経てようやく,問題の改善や両手協調動作の芽生えが見えたという報告内容でした.

もう一例は,8歳の脳性まひ児を対象として,眼球運動やスプーン動作がスムーズに行えない問題の改善に対する介入のご紹介でした(永井義樹先生,十勝リハビリテーションセンター).いずれの動作においても,身体の局所(つまり眼や手)を体幹や頭部から独立させて動かすことに問題がある様子がうかがえました.介入は主として視知覚情報をどのように入力させるのか,ということを意識して検討されていました.視覚と運動の研究に携わる者としては興味深い内容です・介入が本当に視知覚ベースの効果によるのかなど,今後の検討の結果が楽しみな内容でした.

今回の講演に当たり,私を推薦してくださったのは,東出龍太さん(成人部門代表),および石原里奈さんです.お二方とも,国立仙台病院付属リハビリテーション学院さんにて,私が心理学を教えていたころに学生として在学していました.

そもそも私がリハビリに貢献できる研究を志したきっかけが,この国立仙台病院付属リハビリテーション学院さんでの講師経験でした.その当時は,「それぞれ成長した暁には,いつかコラボレーションで意味ある情報で発信していく」という夢を掲げていました.

間接的ながら,今回初めてその夢が実現できました.忘れられない一日になりました.


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