セラピストにむけた情報発信



長崎浩先生を囲む研究会



2010年3月17日

3月14日(日)に,元東京都老人総合研究所・東北文化学園大学でご活躍された長崎浩先生を囲んだ研究会,Human Movement研究会が開かれました.この会は老人研で長崎先生とともに仕事をされた先生方が世話人となり,身内の方だけに解放された,いわゆるクローズドな研究会でした.幸運なことに,私は世話人の一人でありました東京学芸大学の奥住秀之先生と親交があり,特別にメンバーにくわえさせていただくことができました.

長崎浩先生といえば,「基礎運動学」(医歯薬出版)や「からだの自由と不自由」(中公新書)などで大変著名であり,運動学,体育科学,老年学,リハビリ領域など,幅広い分野の方に多大なる影響を与えています.含蓄あるご発言もさることながら,年齢を感じさせることのない知的で聡明な語り口調に,多くの人が引き込まれていくのが印象的です.

研究会では,世話人の先生方が指導される若い大学院生の方々を中心に,全6題の発表がありました.幼児のアフォーダンス知覚や,転倒関連因子といわれている様々な運動課題に関する多角的検討など,私たちの研究室における研究テーマとも近いものが多く,5時間に及ぶ研究会があっという間に過ぎていきました.

研究会の最後に,長崎先生からの講評がありました.その中で,「臨床に携わっている人も,“この研究が臨床上どのような役に立つか”といった観点だけに固執するのではなく,純粋に研究を突き詰めていく姿勢を持ってほしい」といった趣旨のご発言がありました.大学院生としてセラピストの方々を受け入れている私としても,指導上の指針として学ぶべきところがありました.

20名程度の参加者の中には,理学療法士さんや作業療法士さんも多く,旧知の先生との久々の交流や,新たな出会いなど,個人的に大変非常に充実した時間を過ごしました.運営に携わった東京学芸大学のスタッフの皆さまに,心より感謝申し上げます.




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