【研究概要】

顕微鏡が小さなものを見る道具として大切なように,科学の基本はものを分析し見えるようにすることです。当研究室(分析化学研究室)では,環境試料や生体試料をはじめとした種々の試料の中に,何が,どのような状態で,どのくらい含まれているのかを迅速に明らかにするための,新しい分析化学の基礎研究,ナノ・マイクロ空間を利用した化学,更には大気環境に関する研究に取り組んでいます。

具体的には,微少反応場を用いた酵素免疫測定法,遠心場を利用したCD-ROM型マイクロチップ,オンサイトでの環境計測やベッドサイドでの医療検査が可能な,携帯型検査装置,オンチップ型蛍光検出器の開発などの分析化学の基礎に関するもの,富士山観測所,FMタマ観測所などを利用した大気環境測定,大気中水素の動態観測,表面の分子設計とそれに基づく機能性マイクロ化学デバイスの創成,ナノ・マイクロ化学描画と表面機能設計,インクジェット技術を利用した機能性微粒子の生成,キャピラリー電気泳動のための定量的超微量試料導入法などの研究を行っています。

 

【研究内容】

·      コンパクトディスク(CD)型マイクロ化学分析システムの開発(中嶋)

·      有機ELを光源とするマイクロチップ用蛍光検出システムの開発(中嶋)

·      大気環境分析(加藤)

·      新規ナノ化学描画法によるナノワイヤの位置選択的直接化学合成と化学デバイスの創成(内山・Mao)

·      プッシュプル型ノズルシステムによる細胞操作(内山・河西・Mao

·      液滴の特性を利用した新規分析化学(デジタルPCR,微小球増強蛍光,キャピラリー電気泳動)(内山・Zeng(復旦大学)・林金明(清華大学))

 

【研究キーワード】

オンサイト分析,マイクロ化学分析システム(μTAS)CD型マイクロチップ,有機EL

大気環境分析,富士山,揮発性有機化合物,水素

ナノ化学描画,ナノワイヤーセンサ,単一細胞操作