オリンピックと都市の移り変わり

TMU

荒川 夏輝 / 茅原 駿 / 見城 紳 /

田中翔之介 / 饗庭 伸 

UOS

Hyungjoon Im / Professor Soe

ソウル市立大の皆さん
   ありがとうございました!

グループ1集合写真

Group1 ツアールート

グループ1地図

3つの視点

50年前、東京で初めてオリンピックが開催された。そして2020年には、二度目となるオリンピックが開催される。このような大きなイベントの開催は都市開発を推し進める力を持っている。このスタディツアーでは、50年前のオリンピックを契機に変化したエリアと、2020年のオリンピックに向けて整備が進むエリアについて、それぞれ歴史と現状を紹介、そのうえで、ソウルにおける再開発の事例と比較しながら、「1景観、2歩行者空間、3商業空間」という3つの視点から、東京のまちづくりについて日韓の学生で議論を行った。

3つのエリア

1. 日本橋

50年前に建設された高速道路と景観の問題

2. 銀 座

2020年に向けたLRT計画と銀座六丁目再開発

3. 虎ノ門

虎ノ門ヒルズと新虎通り周辺のまちづくり

 

 
2. 銀 座
銀座写真1
1. 日本橋
日本橋写真1

 

3. 虎ノ門
虎ノ門写真1

9つの意見

3つの視点×3つのエリアから得たUOSの学生と教授、及び TMU学生の意見を以下にまとめた。

Q1:日本橋の現在の景観と将来の計画について、どう評価するか。

周辺の建築物や景色が隠れてしまうので、日本橋の上に架かる高速道路は好きではない。将来計画は、現状より良い。ソウルの清渓川のようになる。

ソウル市立大

日本でも同じ意見が多いが、近代化の遺産として肯定的に捉える見方もある。

首都大

Q2:日本橋の水辺を魅力的な歩行空間にするには何が必要か。

現状では水辺に魅力的なものが無い。単に水辺に遊歩道を設けるだけでなく、水質の改善や伝統的なものの保存や、ほかのことにも取り組む必要がある。
(例えばパブリックアートやマルシェのようなもの)

ソウル市立大

日本橋の歴史や文化に即した水辺空間にすることが重要だと考える。

首都大

Q3:老舗が立ち並ぶ日本橋の商業空間についてどう思うか。

ソウルには日本橋のように新(COREDO室町)・旧(三越本店)が共存するエリアが無い。清渓川はモダンであるが、日本橋は伝統とモダンが調和していて、とても興味深い。

ソウル市立大

日本人の若者にとって、日本橋は伝統的で敷居が高い店舗が多いと感じている。

首都大

Q4:銀座の景観をどのように感じるか。

新旧の建物が調和している。

ソウル市立大

銀座を象徴するランドマークがない。

ソウル市立大

銀座では規制を設け、建物のデザインを制限しているが、その存在を知っている側からすると、統一感のある景観とは感じなかった。

首都大

Q5:みゆき通りにトランジットモールが計画されているが、それによって歩行者に
 優しい空間になると思うか。

トランジットモールは危険。

ソウル市立大

道幅ははたして充分なのか疑問。

ソウル市立大

日本は公共交通機関の安全性が高いので、トランジットモールは実現可能と思われる。

首都大

Q6:銀座にはたくさんの商業施設が集まっており、また大型複合商業施設も建設中だが、
 そのような商業空間に魅力を感じるか。

新旧の商業施設が混在しているのが良い。

ソウル市立大

伝統芸能が見られる複合施設があることが良い。

ソウル市立大

いまの銀座は新旧の商業施設が共存しており魅力的だが、複合商業施設の建設により、古くからある高級店から客足が遠のくではないかという懸念がある。

首都大

Q7:新虎通りはパリのシャンゼリゼ通りを目指しているが、なれると思うか。

シャンゼリゼが歴史的な背景を有しているのに対し、虎ノ門はそれがないので難しいと思う。

ソウル市立大

新虎通りの歩道が片側13mなのに対し、シャンゼリゼは片側20mであり、スケールの点から見てもシャンゼリゼ通りに匹敵するような通りとなることは難しいと思う。

首都大

Q8:新虎通りにどういう施設、店舗があったらまた来たいと思うか。
 現地を歩いてみてなにを思うか。

新虎通りの構想自体は魅力的だが、歩行者用道路がこれで良いのか疑問。オープンカフェを設けるならもっと小さな空間のほうがくつろげる。

ソウル市立大

車道の交通量が多く、騒がしい。

ソウル市立大

全国的に展開しているような店舗ではなく、ここにしかない店、日本初上陸の店などができればいいと思う。車の騒音についてはあまり気にならなかった。

首都大

Q9:虎ノ門ヒルズの前にはオープンカフェがあり、新虎通り沿いにはそのようなオープンカフェが
 軒を連ねる構想であるが新橋駅周辺はもともと飲み屋街で、オープンカフェとは別の魅力が
 既にあった地域である。新虎通りにはどちらがふさわしいと思うか。

居酒屋はもっと狭い通りに適しているので、カフェがあった方が良い。

ソウル市立大

多様性が重要なので、居酒屋とカフェの両方があるのが良い。

ソウル市立大

日本にはオープンカフェが連なる通りはまだ少ないので、昼間も利用できるカフェがある方が良いと思う。

首都大

総  括

韓国の学生や教授は新旧の建物が共存している商業空間やその景観を評価していた。韓国では古い建物は 地域ごと保存され、新しい建物は別の地域に建つため銀座や日本橋のような新旧の建物が混在している地域が少ないことが要因であった。また、歩行者空間(歩行者用通路)への要求が、TMUの学生よりも高く、騒音や安全性に対して日本人よりも厳しい基準を持っていると感じられた。我々日本人が抱いているものとは異なる意見を多く聞くことができ、貴重な体験となった。2020年のオリンピックを控えた東京ではこうした日本と世界との感覚の違いをいかに解消していくかがより重要になるのではないかと思われる。