トップ セキュリティ情報 2021年度 【注意喚起】ISC BIND 9の脆弱性(CVE-2021-25218)に関する注意喚起

【注意喚起】ISC BIND 9の脆弱性(CVE-2021-25218)に関する注意喚起

2021年8月20日 南大沢 日野 荒川

※情報が更新されている可能性がありますので、最新情報は以下を参照ください。
https://www.jpcert.or.jp/at/2021/at210035.html
引用元: JPCERTコーディネーションセンター 注意喚起


ISC BIND 9の脆弱性(CVE-2021-25218)に関する注意喚起がありました。

I. 概要
ISC BIND 9には、応答速度制限(RRL)が有効な場合に、namedが有効なインターフェースの最大
転送単位(MTU)よりも大きい応答を行った際にアサーションエラーを引き起こす脆弱性があります。
脆弱性が悪用されると、遠隔の第三者がnamedを異常終了させる可能性があります。

ISCは、本脆弱性に対する深刻度を「高(High)」と評価しています。脆弱性の詳細はISCの情報を
確認してください。

 Internet Systems Consortium, Inc.(ISC)
 CVE-2021-25218: A too-strict assertion check could be triggered when responses in BIND 9.16.19
 and 9.17.16 require UDP fragmentation if RRL is in use
 https://kb.isc.org/docs/cve-2021-25218

影響を受けるバージョンのISC BIND 9を運用している場合は、「III.対策」を参考に修正済みバージョン
の適用について検討してください。


II. 対象
対象となる製品とバージョンは次のとおりです。

 - BIND 9.17.16
 - BIND 9.16.19
 - BIND 9 Supported Preview Edition 9.16.19-S1

本脆弱性は、上記のバージョンのみ影響を受けるとのことです。

RRLはデフォルトではChaos(CH)クラスでのみ有効となっています。ディストリビューターが提供
しているBINDをお使いの場合は、使用中のディストリビューターなどの情報を参照してください。


III. 対策
ISCは脆弱性を修正したバージョンのISC BIND 9を公開しました。また、今後各ディストリビューター
なども、修正済みのバージョンを提供すると思われます。十分なテストを実施の上、更新の適用を検討
してください。

 - BIND 9.17.17
 - BIND 9.16.20
 - BIND Supported Preview Edition 9.16.20-S1

なお回避策として、named.confから既存のすべてのrate-limit文を削除し、代替としてデフォルトの
Chaosビューを定義することで、Chaosを含むすべてのクラスのRRLを無効化することが挙げられて
います。


IV. 参考情報
 Internet Systems Consortium, Inc.(ISC)
 BIND 9 Security Vulnerability Matrix
 https://kb.isc.org/docs/aa-00913

 株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
 (緊急)BIND 9.16.19の脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2021-25218)- BIND 9.16.19
 のみが対象、バージョンアップを強く推奨 -
 https://jprs.jp/tech/security/2021-08-19-bind9-vuln-rrl.html