トップ セキュリティ情報 2020年度 【注意喚起】sudoの脆弱性(CVE-2021-3156)に関する注意喚起

【注意喚起】sudoの脆弱性(CVE-2021-3156)に関する注意喚起

2021年1月27日 南大沢 日野 荒川

sudoの脆弱性(CVE-2021-3156)に関する注意喚起がありました。

I. 概要
 2021年1月26日(現地時間)、sudoにおけるヒープベースのバッファオーバーフローの
 脆弱性(CVE-2021-3156)に関する情報が公開されました。
 sudoersファイル(通常は/etc/sudoers配下)が存在する場合に、脆弱性を悪用することにより、
 ローカルユーザがrootに権限昇格する可能性があります。

  Sudo
  Buffer overflow in command line unescaping

 なお、本脆弱性を発見したQualys社より、脆弱性の技術的な解説や脆弱性を実証する動画が
 公開されています。今後、脆弱性を悪用する実証コードなどが公開され、攻撃の中で権限昇格
 に悪用される可能性もあるため、影響を受けるシステムを利用している場合は、早急に対策を
 実施することを推奨します。

II. 対象
 対象となる製品とバージョンは次のとおりです。なお、各ディストリビューションにおける
 対象バージョンは、ディストリビュータの情報を参照ください。

  - sudo バージョン 1.8.2 から 1.8.31p2
  - sudo バージョン 1.9.0 から 1.9.5p1

 なお、本脆弱性を発見したQualys社は、"sudoedit -s /"コマンドを実行し、"sudoedit:"から
 始まるエラーが表示されると脆弱性の影響を受け、"usage:"から始まるエラーが表示されると
 影響を受けない、という情報を公開しています。

III. 対策
 各ディストリビュータより、本脆弱性を修正したバージョンが公開されています。
 各ディストリビュータの情報などを参考にバージョンアップなどの対応を検討してください。

IV. 参考情報
 Qualys
 CVE-2021-3156: Heap-Based Buffer Overflow in Sudo (Baron Samedit)

 Sudo
 Major changes between version 1.9.5p2 and 1.9.5p1

 Red Hat Customer Portal
 Privilege escalation via command line argument parsing - sudo - (CVE-2021-3156)

 Ubuntu
 USN-4705-1: Sudo vulnerabilities

 Debian
 CVE-2021-3156