東京都立大学 都市環境学部 観光科学科
川原晋研究室(観光まちづくり研究室)
HOME > プロジェクト > 研究室プロジェクト

研究室プロジェクト

進行中の主なプロジェクトの紹介です。

観光まちづくりオーラルヒストリー研究 2017〜
長門湯本温泉+萩焼深川窯2019、高尾山2017

観光地域づくりの初期段階の作業として、資源保有者や管理者の取り組みや想いを、連携する関係者と共有していくことが重要だと考えています。その共有方法として、ステイクホルダー個人への十分な聞き取り調査結果を一次データベースとして、個人の営みの積み重ねからなる地域の歴史をとりまとめ、さらに、観光戦略に資するように、資源の時空間整理や文脈整理を個人の語りに紐付いた形でまとめる「観光まちづくりオーラルヒストリー」という調査・編集手法を提起し、試行しています。

  • 2017〜8年度は、登山観光地における観光と環境保全に尽力してきた観光事業者と地域住民を対象に実施し、「高尾山観光まちづくりオーラルヒストリー」として取りまとめ、高尾山口駅及び参道周辺整備計画の付録編として八王子市ホームページで公開されています。
  • 2019年度は、温泉街振興と「萩焼」窯元振興の連携を目指す地域における窯元集落への調査を通して、この調査・編集手法が、文化・芸術資源の価値や産地の環境保全に十分配慮しながら観光活用を目指すことに対して、どのように活用できるかを研究しました。 調査企画/インタビュー調査と集落空間調査/編集の各フェーズで具体的成果イメージを提示しながら、5窯8名の作陶家の個々の懸念・ニーズを把握するプロセスを丁寧に踏んだ結果、最終的に、①個人保有資料、②集落内限定共有アーカイブとしての「萩焼深川窯史」、③温泉街との共有、情報発信テキストとしての「萩焼深川窯史<抜粋版>」を取りまとめた。これは、成果資料の情報公開範囲に段階を設け、それごとに掲載内容を調整することで、茶陶として名高い「萩焼」のブランド価値の低下や、窯元集落に観光客が押し寄せないように配慮しつつ、萩焼という一級の地域資源を観光活用することにむけた基礎情報と、相談体制、信頼関係を構築することにつながった。


高尾山地区 観光地マネジメント研究 2014〜

ミシュランガイドの三つ星に認定されたことで、急激に観光客が増えた高尾山。各種観光施設の充実が図られる中で、八王⼦市が都市計画⽅針を策定(2016年3⽉)するのを川原研が支援した延長で、観光地マネジメントの実践研究を進めています。27年度末に策定した地区の都市計画方針に基づきつつ、公民学連携で以下の取組をすすめています。



①H28年度〜:<民間敷地の駐車場の包括的事前予約管理のシステムを導入と実証実験>GWや紅葉ピーク時の駐車場探索行動が原因の渋滞軽減と、まちづくり資金の形成をめざした「たかおまちパーキングシステム」と名づけた、民間敷地の駐車場の包括的事前予約管理のシステムを導入と実証実験、支払い意思額の特性を分析。(川原研+清水研(交通計画)+軒先株式会社+八王子市と協働)。
LinkIcon高尾まちパーキングweb開設!(2016.11.16)

②H28年度〜:<南浅川地区観光まちづくり> 南浅川地区の里山環境と「関東ふれあいの道」の起終点という資源を活かした環境整備提案とまちづくり活動の立ち上げ支援。5年程度の取り組みに向けた構想づくり

③H30年度〜:<高尾山口駅前河川を中心とした水辺空間の魅力化整備と景観計画>
高尾山口駅前の案内川護岸改修(都事業)に合わせた、沿川公園等と水辺の魅力化、活用のための再整備に向けた調査※と、市民参加型計画ワークショップを実施中。あわせて高尾山麓エリアの景観まちづくり、特に屋外広告物のマネジメント等もすすめている。(八王子市都市計画課、まちなみ景観課、水環境整備課、道路交通部管理課、東京都南多摩西部建設事務所、国学院 二井昭佳先生、コンサルタント2社と協働)
 LinkIcon八王子市HP「高尾山口駅前水辺広場利活用ワーキンググループについて」


③H31年6月:【高尾山 観光まちづくりオーラルヒストリー Book公開】
2017-8年度で川原研で取り組んできた成果本が、八王子市のHPで公開されました。高尾山口駅及び参道周辺整備計画の資料編として位置づけられています。官民学で多様な事業を推進中の高尾山で、地元のキーパーソン、地域資源に興味を持っている方、地域づくりに責任を持って取り組まれてきた方の思いや経験を聞き取り、新たに関わる行政、事業者、住民でこれを共有していくための冊子です。今後の観光振興への活用を意図して、地域資源を人に紐付けて、様々な図版に整理しています。
 LinkIcon八王子市HP「高尾山観光まちづくりオーラルヒストリー」
 LinkIcon高尾山オーラルヒストリー 建築学会OS梗概.pdf



関連調査、取り組み
<H28観光動向調査>
・時期、日時別の観光地への訪問手段、観光行動の把握
・地域観光資源調査、観光地としてのニーズ調査(川原研)
<H28 地域住民による観光地をメリット化する取り組み、種まき>
・駅前広場やTAKAO599ミュージアムでのマルシェ等の実施による生活利便性の向上にむけた意向調査、(川原研)
・高尾599ミュージアム等の観光施設の活用アイデア提案(川原研)
・南浅川地区の活性化にむけた南浅川側登山道の復活と活用検討に向けた調査、アイデア提案(川原+ 沼田真也先生基礎ゼミ(生態学))
<H28 パネル展Mt.(ミーティング)TAKAO>


※H28年度前半の成果を地域にお伝えした展示会(写真)

開発住宅地の入居前から始めるコミュニティデザインと里山再生 2014〜

拠点施設の設計ワークショップ、エリアマネジメント、プロセスデザイン

大規模住宅地やマンションの開発において、新しい居住者と従前からの地域の人々はどのようにコミュニティを作っていけばいいでしょうか。 これまでも、意識の高いディベロッパーは、開発エリア内のコミュニティ形成には取り組んでいますが、周辺地域とのつながりまでは積極的に踏み込めていませんでした。開発と里山保全で紆余曲折のあった稲城南山の開発プロジェクトに関わる中で、この課題にチャレンジしています。(社)エリアマネジメント南山のコミュニティ形成部門として「南山倶楽部」が立ち上がり、地権者、都市計画家、デベロッパー、里山活動NPO、デザイナー、ミュージシャン、地産地消経営者、大学など、多様な人が関わりながら、エリアマネジメントの拠点と体制づくり、運営を考えています。

追記)
2015.04 に「南山倶楽部」は、(社)エリアマネジメント南山の活動会員として、位置づけられました。
2016.10  活動会員やコミュニティの活動拠点となるように、川原研が企画運営してワークショップで計画が進められた、愛称「南山ハウス」(公園管理棟)が、WAKUWORKSさんのすばらしい設計により竣工しました!

LinkIcon(社)エリアマネジメント南山HP
LinkIcon(社)エリアマネジメント南山 facebook ページ

エリアマネジメント南山の理念や活動を紹介したブックレットです。
LinkIconエリアマネジメント南山 紹介ブックレット(H28)


LinkIcon関連論文 デザイン梗概優秀発表 「里山と地域人材を活かす宅地開発」
LinkIcon関連論文 デザイン梗概優秀発表「南山クラブハウス」

LinkIcon--公開活動第一段:「おいでよ!南山」イベント

都市の祝祭空間研究

〜活動舞台としての公共空間形成にむけて〜

祭りのときの都市空間の変容の様子や使われ方に着目することで、今後の都市空間の整備や使いこなしへの新たな手がかりを得ることを目指すのが、都市祝祭空間研究です。科研費を活用した活動の2年目として、神輿や山車、踊手が町中を巡る「巡行型祭礼」を対象として、祭り時の都市空間の変容や使われ方の解読を通して、人々の地域活動や観光活動の舞台としての都市空間の保全・整備につなげる「都市祝祭空間試論」を専門誌「季刊まちづくり 特集:都市の祝祭空間(50ページ)」等で発表しました。

都市空間に応答した多様な祝祭空間の現れ方を示し、類型化を行いました。また、都市化の中での祝祭空間の変容要因や、法定計画である「歴史まちづくり計画」のなかの祝祭空間の位置づけのレビューを行いました。
これらを通して、都市の公共空間を捉える新しい見方を提示しています。引き続き神輿や山車が川や海に入ったり、舟で移動する水上・海上渡御の祭りを調査し、都市化のなかでの都市の水辺の変遷と祭りの変遷の関係等を解読中です。
都市祝祭空間研究ホームページ

地域主体で進める地域ブランディングの方法論の開発と実践 2013〜

あきる野市

観光まちづくりの推進のために、地域の多主体で取り組むボトムアップ型の地域ブランディングの方法、地域の自然・文化環境資源や地域の人との交流体験をより重視する「環境・交流・特産物の3分野を統合した地域ブランディング」の方法を構築することを目的としています。
2013-14年度の事例研究の知見を生かし、2014年には社会実験として、あきる野市秋川渓谷圏域に関わる行政、事業者、市民をメンバーとして地域ブランディングワークショップを企画・開催し、地域ブランディング憲章やコアイメージ、ステートメントを作成しました。
  また、これらのツールを使って、あきる野市に立地する(株)サマーランドの新設の観光施設計画のアイデアを議論するワークショップを開催しました。その結果、2016年4月に、自然と癒しをテーマとしたドッグラン等のアウトドア複合施設「わんダフルネイチャーヴィレッジ」の開園につながっています。あきる野市の様々な地域資源との連携を意識した運営が進められています。
 また、この地域ブランディングの理念や進め方は、2015年度に策定中のあきる野市観光推進プラン改定版に取り入れられました。
H28年度から、わんダフルネイチャーヴィレッジと首都大オープンユニバシティ講座の共催で、自然の中で自然を学ぶ!公開講座を始めています。第一回は、ツーリズムコースの保坂先生(昆虫学)による昆虫ツーリズムでした。

LinkIcon関連論文「ボトムアップ型地域ブランディング手法の開発」
LinkIconわんダフルネイチャーヴィレッジ

クリエイティブタウン形成に向けての実践的研究 2009〜

東京都大田区をフィールドとしした モノづくり+まちづくり


本研究は、工業集積地大田区を対象に、産業振興(モノづくり)と都市計画(まちづくり)の統合的アプローチにより、
1) 創造産業育成のためのプラットフォーム形成、
2) 多様な主体がモノ づくりへと近づく機会の向上(=モノづくり観光)、
3) モノづくりを支える魅力的な都市空間形成によるクリエイティブタウンの実現
に向けた道筋について、大田観光協会と連携した実践的研究を行っています。

おおたオープンファクトリーの開催

昨年(2012年)度末、そして今年度 12 月に企画 運営したおおたオープンファクトリーでは、多種多様な人々が大田区のモノづくりへと近づける場・機会を提供することを目的に、下丸 子・武蔵新田駅周辺地区の約 30 の工場を一斉公開しました。
このイベントの成果として、第一に、イベント当日は幅広い年齢層の来街者を得ることができたこと、第二に、参加各工場や地域にとって開催するメリットが実感できたこと、第三に、今後他地域へと展開するためのオープンファクトリーの企画の方法論を構築できたことが挙げられる。これらは、報告書『モノ・まち BOOK2012 〜第1回おおたオープンファクトリー成果報告書〜』にまとめました。
こうしたイベントを通して、,大田区の行政や地域に対して大きなインパクトを与えることができ、研究会としては、都市計画、産業振興、観光振興等幅広い視野での今後の研究活動への足がかりをつくることができました。

クリエイティブラボラトリー多摩川(くりらぼ多摩川)

空き工場をリノベーションして、日常的なモノづくりワークショプの開催や、展示販売拠点としての運営をしています。

モノづくりたまご &学生デザインコンペ

 「モノづくりたまご」は、大田の町工場の職人が製作したMADE IN OTAの カプセルトイ製品です。学生と職人のコラボレーションによる製品を「おおたオープンファクトリー 」当日に販売する、学生デザインコンペの企画開発から製品化までの運営を行ってきましたH28年度は、広告系プロデューサーに企画の中心になってもらい、商品化の動きを加速させています。

閉校施設の観光まちづくり拠点としての活用方法の研究と実践 2013〜15



2013年度より、あきる野市からの受託事業として、閉校した小学校施設の地域交流・観光拠点としての活用計画を、地縁組織や関係主体が参画するワークショップ等を通して策定し、2014年度以降、企画内容や運営方法について検討を進めてきました。
 地域の環境や、アーティストインレジデンス事業の歴史等の地域コンテクストを活かし、また小学校施設の転用という制約を受け止めつつ、泊まれる学校 「戸倉しろやまテラス」(秋川渓谷戸倉体験研修センター)として、2016年4月にオープンしました。(http://tokura-taiken.jp) 郷土料理レストラン、体験(農業、版画等)、宿泊(教育旅行等)、ジオパーク展示、小学校メモリアル展示などのコンテンツが用意されています。特に、2015年度は、研究室としては、版画コンテンツに特徴を持たせるための企画提案や、施設に魅力を持たせるための「もてなしの演出手法・アイテム」の助言、これらを示すオープニングイベントを企画・開催し、版画の聖地化にむけた機運を作りました(写真)。

LinkIcon戸倉しろやまテラス

「新しい公共」の体制による
歴史的建築物の保全・活用とエリアマネジメント

鶴岡市

保全活用建築物とプロジェクトロゴ山形県鶴岡市中心市街地にある河川「内川」と山王商店街との交点に位置するランドマーク的存在である歴史的建築物「旧イチローヂ商店」の保全・活用と、ここを拠点とするエリアマネジメントを行う実践・研究です。まちづくりNPOやまちづくり会社、大学、地方銀行等がチームを組む「新しい公共」の体制で、地域資源を活かして地域を活性化する持続的な事業を行っていくことを目指しています。2年目の24年度は、1)歴史的建築物としての価値評価にもとづく改修・運用計画策定、2)ストリートマネジャーとして育成中の若手企画による、地域の資源を活用した文化・芸術イベントの連続開催、3)事業資金調達のためのファンドレイジング研究、4)地域での活動意義の共有のためのシンポの開催、の4つを行いました。持続可能な事業とするためにソフト事業の試行や担い手となる人材育成を先行させつつ、ハード事業を組み立てるプロセスデザインを、実践を通して理論化していきます。

カウンター