首都大学東京 大学院 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻

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  運動分子生物学研究室  教授:藤井宣晴、 准教授:眞鍋康子

あなたはいま、どんな時代を生きているのでしょうか。

高度に発達した家電製品と交通機能のおかげで日々の身体活動量は低下し、豊かな食と抱き合わせの飽食が慢性化する。そんなライフスタイルが定着しつつある時代に、あなたは幸か不幸か、生まれ落ちてしまったのです。そんな時代では誰もが、メタボリック・シンドロームなどの生活習慣病と隣り合わせの人生を歩まねばなりません。医療の目覚ましい発展のおかげで日本は世界有数の長寿国となったものの、それはその分長く、疾病と隣り合わせの時間を生き抜かなければならないことをも意味します。実際に、莫大に膨れ上がる医療費は国家の財政を脅かすほどになっています。

そこで運動です。

身体運動の恩恵効果、つまり健康を維持・増進し病気を改善する運動の効果に、この問題の解決を求める期待が高まりつつあります。生活習慣病については先進国(?)の米国では、すでに、運動と健康に関する研究に国家レベルで取り組み始めています。

運動が健康によいことは誰もが経験的に知っています。しかし、「運動はどうやって病気を防ぐからだをつくりあげるのか?」という問には、残念ながら現時点ではまだ誰も明確には答えられません。運動生化学研究室では、運動がもたらす細胞レベルの変化を生化学、分子生物学、および細胞生物学的アプローチを駆使して明らかにすることで、この問に対する答えを模索しています。

例えば、現在の主な研究テーマの一つに、「運動がⅡ型糖尿病を予防・改善するメカニズムの解明」があります。運動は、①インスリンの細胞内情報伝達経路とは異なる経路を使って糖輸送を促進、②インスリン感受性の亢進、という2つの作用で糖尿病を予防・改善します。しかし、これらの作用がどのような機序で生まれているのかは分かっていません。我々は、AMPキナーゼと呼ばれる細胞内エネルギーセンサーが両作用に重要な役割を果たしているという仮説を立て、そのメカニズムの解明を目指します。この他にも、「培養細胞系を用いた新たな筋収縮モデルの構築」、「骨格筋由来の新奇液性因子の探索」などをテーマに、多岐にわたる研究を展開中です。

研究には、培養細胞や遺伝子改変マウスなどを用います。運動の要素として筋収縮に注目し、覚醒動物、麻酔下動物、摘出筋、培養細胞それぞれに筋収縮を生じさせる特殊な装置・モデルを使用して研究を進めます。また、マウスの骨格筋に一過性に標的遺伝子を導入・発現させる新技術(in vivo electroporation)を使用します。主に藤井が分子生物学的アプローチを、眞鍋が細胞生物学的アプローチを担当します。



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