東アジア巨大都市における新自由主義型都市計画制度研究会

ABOUT

東アジア巨大都市における新自由主義型都市計画制度研究会は、2000年以降に大きく変化した東京の都市計画の実態やその成果を明らかにするために、2014年から活動を行っています。東京の政策立案に関わったキープレイヤーへのインタビュー調査を進めるとともに、都市空間の変化の分析、ソウルや台北といった東アジアの巨大都市との比較研究を行っています。2018年より科学研究費基盤研究(B) 東アジア巨大都市における新自由主義型都市計画制度の成果と形成 過程(研究代表者:饗庭伸)を獲得して研究を行っています。
このウェブサイトは研究会の成果を公開するために開設されました。

NEWS

オンラインシンポジウム「ソウル・東京の都市再生:現在・過去・未来」を開催しました

16th MARCH 2021
21世紀に入り、 市場の力を都市計画に活かす新自由主義型の都市計画手法が世界各地で導入され、
日本では2000年代初頭に法制度枠組みが大きく転換し、韓国でもIMFショック以降、 ほぼ同時期に大きな政策展開がみられました。
こうした転換の成果と制度枠組みの実態を明らかにするために日韓の研究者で重ねてきた共同研究の成果を報告しました。
主催:ソウル研究院 都市空間研究室+ 東アジア巨大都市における新自由主義型都市計画制度研究会
助成:韓国国際交流財団

1.基調報告:ソウル・東京の都市空間の構造と主要政策の動向
Yang Jae-Seob(ソウル研究院)+饗庭伸(東京都立大学)
ソウル市・東京都における都市計画の政策動向と人口変化や土地開発による空間利用内容の変化についてGISデータ等を用いて説明された

2.テーマ別報告
(1)地域間の不均衡と格差
Kim Sang-Il(ソウル研究院)+浅川達人(早稲田大学)
ソウル市・東京都における地域間の格差の動向について、居住者の所得・学歴データや不動産取得の動向などから分析・報告された
(2)超高層マンションの開発問題
Min Seung-Hyun(ソウル研究院)+大澤昭彦(高崎経済大学)
ソウル市・東京都における超高層マンションの開発動向とその課題について、立地データ等を用いて分析・報告された
(3)交通と都市開発
KIM Seung-Jun(ソウル研究院)+小根山裕之(東京都立大学)
ソウル市・東京都における鉄道・道路網整備の動向とそこでの課題についてパーソントリップデータ等を用いて分析・報告された
(4)リニアな都市再生事業の波及効果
Seong Su-youn (ソウル研究院)+片桐由希子(金沢工業大学)
ソウル市では京義線廃線エリアへの整備、東京都では下北沢地区連立立体工事の事例から線形な鉄道敷地を活用した都市再生の事例が分析・報告された

3.総合ディスカッション
長野基(東京都立大学)+鄭一止(熊本県立大学)+上記報告者

ソウル・東京の比較研究をまとめた資料を公開しました

14th MARCH 2021
ソウルと東京の比較研究をまとめた「ソウル・東京の都市再生:現在・過去・未来」を公開しました(PDF版14ページ)。こちらよりご自由にダウンロードください。




研究成果をまとめた「平成都市計画史」を刊行しました。

10th FEBRUARY 2021
研究会メンバーの饗庭伸の単著「平成都市計画史」が花伝社より刊行されました。2章、3章、6章に研究成果が使われています。



MEMBERS

饗庭 伸
東京都立大学 都市環境学部

1971年 兵庫県生まれ。東京都立大学都市環境学部教授。早稲田大学理工学部建築学科卒業。博士(工学)。専門は都市計画・まちづくり。人口減少時代における都市計画やまちづくりの合意形成のあり方について研究すると同時に、まちづくりの合意形成のための技術開発も行っている。主な現場に山形県鶴岡市、東京都国立市谷保、岩手県大船渡市三陸町綾里、東京都日野市程久保などがある。著書に、人口減少時代の都市計画の理論をまとめた『都市をたたむ』(2015年・花伝社)、平成期の都市計画の歴史をまとめた「平成都市計画史」(2021年・花伝社)など。

浅川達人
早稲田大学 人間科学学術院

1965年 長野県生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授。上智大学文学部社会学科卒業。東京都立大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門は都市社会学・社会調査。都市という社会の社会構造および空間構造を、社会地図という手法を用いて描き出し、社会問題の解決に資する知見を得る研究を行っている。また、東日本大震災からの復興過程を分析することにより、復興の地域的最適解を探る研究も行っている。Fieldworkの主な現場は、東京圏、岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里、鹿児島県南大隅町など。著書に、社会地図という手法を用いた『新編東京圏の社会地図1975-90』(2004年・東大出版会、共編著)、『格差社会と都市空間 東京圏の社会地図1990-2010』(2020年・鹿島出版会、共編著)などがある。

大澤昭彦
東洋大学 理工学部

1974年 茨城県生まれ。東洋大学理工学部建築学科准教授。筑波大学第三学群社会工学類卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は都市計画・景観計画。建築・都市計画・景観法制度の歴史的変遷や運用実態の研究を行っている。近年は超高層住宅の都市計画的な課題の研究にも取り組む。著書に「高さ制限とまちづくり」(2014年・学芸出版社)、「高層建築物の世界史」(2015年・講談社現代新書) など。

小根山裕之
東京都立大学 都市環境学部

1970年 静岡県生まれ。東京都立大学都市環境学部教授。東京大学大学院工学系研究科土木工学専攻修士課程修了。博士(工学)。専門は道路交通工学・都市交通計画・交通環境負荷解析。安全で円滑な交差点幾何構造や交通制御手法の研究や、高速道路における渋滞緩和のための技術や交通マネジメント手法に関する研究、都市のアクセシビリティ評価の研究等を行っている。著書に、『「交通渋滞」徹底解剖』(2005年・交通工学研究会、共著)、『都市の技術(改訂版)』(2016年・技報堂出版、共著)、『土木計画学ハンドブック』(2017年・コロナ社、共著)、『平面交差の計画と設計 基礎編―計画・設計・交通信号制御の手引』(2018年・交通工学研究会、共編著)など。

片桐由希子
金沢工業大学 工学部

1977年神奈川県生まれ。金沢工業大学工学部講師。博士(学術)。慶応義塾大学環境情報学部卒。同大学大学院政策・メディア研究科修士課程、博士課程単位取得。専門は、ランドスケーププランニング、観光地域計画。

鄭 一止
熊本県立大学 環境共生学部

1980年韓国・大邱生まれ。熊本県立大学環境共生学部准教授。ソウル市立大学都市工学科卒業。東京大学大学院都市工学専攻都市デザイン研究室にて博士号(工学)取得。専攻は都市計画・まちづくり。地域性を活かしたまちづくり、歩きたくなるまちづくり、リノベーションまちづくりの仕組み開発を行っている。主な現場に千葉県館山市、熊本市などがある。著書に、『自分にあわせてまちを変えてみる力 -韓国・台湾のまちづくり』(2016年・萌文社)、『アジアのまち再生』(2017年・鹿島出版会)など。

長野 基
東京都立大学 都市環境学部

1975年 東京都生まれ。東京都立大学都市環境学部准教授。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。同大学院政治学研究科博士後期課程単位取得満期退学。修士(政治学)。専門は行政学・地方自治論。主な著作に「討議民主主義に基づく市民参加型事業アセスメントの取り組みの研究-東京都新宿区「第二次実行計画のための区民討議会」を事例として」『年報行政研究』no.49(日本行政学会・2014年)、『地域協働の科学:まちの連携をマネジメントする』(2005年・成文堂・共著)などがある。

〔オブザーバー〕
武井 宏之
朝日新聞記者

竹沢えり子
銀座街づくり会議・銀座デザイン協議会事務局長


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Email aib@tmu.ac.jp (東京都立大学 饗庭伸)

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