前回迄で基本的な入出力の方法を日本語も含めて練習し, それにより作成した ファイルをフォルダを利用して保存・整理する方法を学びました. これでコ ンピュータの基本的な五つの装置のうち入力, 出力, 記憶の三つの装置を利用 する事ができる様になりました. あとの演算, 制御という二つの装置はコン ピュータの心臓部といえる中央処理装置 CPU (Central Processing Unit) に 組込まれており, その性能が実はハードウェアとしては最重要な部分で「○○ 入ってる」などと宣伝されたりしています. しかし日常の情報リテラシに於 ては, それを意識する事はあまりありません. ですから皆さんは最低限の技 術は既に習得した事になります. あとは, それをどう使うか覚える事で, な により大切なのは, あらゆる機会に反復練習して慣れる事です. その一方で, コンピュータが情報リテラシの重要な道具として急速に発達した理由は, その 単体での利用だけではなく, それらを結合したネットワークの力によるもので す. つまりネットワークによる情報の収集・発信の 力です. 今回は, これ迄に習得した技術を生かす為に, その理論的・実践的 な基礎を学びます.
実践的入門ということで, 詳しいインターネットの仕組, 原理などについては この授業では取り上げないことにします. そして, この授業・教室 (大学) でのメイルの送受信, Web検索について学習します.
とはいっても最低限のことは見ましょう. インターネットとは, 非常に限定 されたネットワーク (たとえば首都大学内) をつなぎあわせ, さらに広域化し たネットワークのことです. このインターネットを利用すれば, 国内はもと より国外への電子メイルの送受信, WWW (World Wide Web) を利用した情報の 探索 (発進), 電子掲示板の閲覧, 投稿などが行えます.
ネットワークは階層化されていて最小単位は1台の PC (パソコン) です. 次 に本教室です. そして首都大学南大沢キャンパス構内ネットワーク (LAN) が あります. さらに大学の外には, プロバイダである (株) パワードコムのイ ンターネット接続サービスを利用して, インターネットにつながり国内, 国外 に情報経路を広げています. 以下の概念図のようです.
数年間で急激に成長したインターネットですが, 各コンピュータ間, 機種, 製 造会社の枠を越え浸透してきたのは, それらに共通の情報通信規約が確立され てきたからです. その様な規約の事をプロトコル (protocol) といいますが, インターネットでは TCP/IP (Transmission Control Protocol / Internet Protocol) というプロトコルをを利用します.
他の計算機の端末利用ができます. PC利用者は, 原則として一人一台の利用 環境なので一方通行ですが, マルチユーザ (複数利用者) 環境のUNIX (ユニッ クス) 計算機を利用できます. 当然UNIXという計算機利用環境について知る 必要がありますし, いずれかのUNIX計算機の利用資格が必要です. 実は皆さ んは全学システム利用資格があるわけです. また rsh (rmote shell) や ssh (secure shell) では後述のファイル転送もできます.
皆さんはUNIX計算機のメイルサーバに自分の私書箱を設置しておき, 読み書き は各PCで行います. サーバ間でインターネット経由でメイルが配達されます. メイルサーバには, 送信に利用するsmtp (simple mail transfer protocol) サーバと受信に利用するpop (post office protocol) またはimap (internet message access protocol) サーバの二種類があります. 書かれたメイルを smtpサーバが受取り行先のメイルサーバに送信します. 外からのメイルも一 度smtpサーバが受け取り, 私書箱を管轄するpop/imapサーバにメイルの管理を 委ねます. 以下がその概念図です.
皆さんは各PCからpop/imapサーバに受信メイルの有無を問い合わせ, 受信があ れば, popサーバでは各PCのディスクにメイルをしまい, imapサーバではメイ ルをサーバ上に貯めたまま処理します.
計算機に貯蔵されているファイルを計算機間で転送 (ファイル転送) しあうこ とができます. 例えばWebページをPCであらかじめ作っておき, 出来具合を確 かめ, その後自分のWebページ用のサーバにファイルを送り出す (アップロー ド) ことによってインターネットで自分のホームページ (あるいはその一部) が公表されます. そのためには通常サーバの利用資格が必要です. 不特定の 利用を可能にする匿名 (anonymous) ftp というのもあります.
電子掲示板の購読, 投稿ができます. 現在はこの運営は多くWebサイトで行わ れているようです.
マルチメディア的な情報公開規約に則る情報の収集や, その規約に則り自分自 身も情報の発進ができます. 詳しくは, 後にワープロ例文「WWWの仕組み」を 取り上げますので, そこで解説します.
tmu.ac.jp (首都大学東京) | metro-u.ac.jp (東京都立大学) |
電子メイルソフトはいろいろありますが, このクラスではNetscape messenger による電子メイルアクセスを行います. なお現在Netscapeはヴァージョン7.1 ですが, ここでは7.02に基づいて解説します. 以下の例では利用者は 首 都 大さんとしていますが, そのメイルアドレスは画像の上では便宜的に pc-cfk@comp.metro-u.ac.jp となっています.
以下のアイコンをダブルクリック.
あるいはクイック起動バーより以下の黒丸で示されたアイコンをクリック.
起動するとパスワードの入力を求められるので, このPCにログインしたときに 用いたパスワードを入力してください.
パスワードを入力すると初めての場合以下のような画面となります.
上のウィンドウ左側の細長いサブウィンドウにメイルが保存されるフォルダが 示されます (下図). 受信トレイに受信メイルが保存されます. ごみ箱はいら なくなって削除したメイルの保管場所です (これを空にするまでは完全には削 除されない). そこには自分が送信しようする, あるいは送信したメイルも新 たな独立なトレイが作られそこに保存されます. 左の三角矢印をクリックし てみてください.
それではメッセージを送信しましょう. のアイコンをクリック. 以下の画面が表れます. テストのため自分に送信し ましょう.
自分のアドレスを確認してください. 自分のアドレスは以下のようになりま す. 二つの方法で指定できます. 結局は同じものです. 例としてu9999999 の首都 大さん (Shuto Dai) を挙げます.
形式 | 例 |
姓-名@ed.tmu.ac.jp | shuto-dai@ed.tmu.ac.jp |
あるいは | |
ユーザ名@ed.tmu.ac.jp | u9999999@ed.tmu.ac.jp |
ユーザ名@ed.tmu.ac.jp (u9999999@ed.tmu.ac.jp) 宛 に学外からメイルが届くと現在メイルサーバは, それをスパム (迷惑) メイル と断定し直ちに破棄します. 但し, この宛先への学内からのメイルは破棄さ れません. そこで, 学外からのメイルを無事届けてもらうためには, 自分の メイルアドレスを姓-名@ed.tmu.ac.jp (shuto-dai@ed.tmu.ac.jp) と設定させ るようにしてください.
アドレス (宛先) と件名, 内容を数行書いてください.
そして送信アイコンをクリックしてください. そうすると先のメッセージ編集画面は消えます.
次にこのメッセージを受信します. これがうまくいっていれば原理的に誰と でもメイル送受信ができます.
のアイコンをクリックしてください. メッセージが到着していると以下のよ うな画面構成になります.
これで右側上段受信トレイウィンドウの太字で示された新規到着メッセージを クリックしてください. 初めての利用では左側のpc-cfk@comp.metro-u.ac.jp に送信済みトレイができます.
右側下段のメインウィンドウにメッセージが表れます.
下の適当なアイコンをクリックしてください. とくに返信をここでは試して 見ましょう.
例えばごみ箱に入れたメッセージを受信トレイに戻したい場合など, あるいは テーマ別, あるいは送信人別にフォルダを作りメイルを振り分けたりする場合 にメッセージを移動させます. 基本的には上の削除の項で述べたようにドラッ グして行き先フォルダにメッセージタイトルを重ねることによりなされます. さきほどのごみ箱に入れたメイルを再び受信トレイに戻してください.
個人的カスタマイズができます. 編集 → Mail&Newsgroupsアカウント設 定...で左側の個人情報をクリックします.
名前を自分の名前に替えてください. あるいはニックネームでもいいです. 英数字でも漢字でも.
署名 (テキスト) ファイルをメモ帳 (あるいはTeraPadあるいは秀丸) で編集 し自分のマイドキュメントフォルダに保存します. TeraPadで作成するときは ファイル→漢字/改行コード指定保存…でShift-Jisで保存するようにしてくだ さい. 送信するとき自動的に署名ファイルが挿入されます. 以下のようです.
そして, 上の Mail & Newsgroups アカウント設定ウィンドウの, 「次の 署名を添付」をクリックして, チェックをいれ, 署名ファイルを選んでくださ い. それにはファイル名を指定してもいいし, 選択ボタンから探し出しても いいでしょう.
そうすると新規メッセージ作成で自動的に署名ファイルの内容がメイルの末尾 に差し込まれます.
のアイコンをクリックしてください. 以下のようなダイアログ画面が表示さ れます. 添付すべきファイルを表示させクリックして選択してください. そ して「開く」ボタンで取り込みます.
以下のように新規作成中のメイル右の添付ファイルリスト欄に選択されたファ イルが明示されます. これを確認してメイル本文を書き上げたら送信します.
ウィンドウ→アドレス帳と選んでください. 頻繁にメイルを交換する相手の メイルアドレスをその人の名前 (ニックネーム) やその他の情報とともに保存 させておきましょう.
ここで左の個人用アドレス帳をクリックする. 上のツールボックスから新し いカードを選び, 必要事項を書き込む.
(サブジェクトでなく) メイル本文 (通常は先頭)に書く習慣を身に付けましょう. 本文に書く理由は, 封書の手紙で「封筒表 書き」に相当する「ヘッダ」 (発信アドレス, 受信アドレス, 日時, サブジェ クトなど) 部分が, その本文と切離して扱われる場合も多く, 封書の手紙でも 本文に『いとしの何某さま』『あなたの何某より』と書いていたのと同じこと です.
情報教育システムでは web 閲覧 (ブラウズ) に
が用意されています. 初期設定ではホームページ (HP) は情報教育システム (www.spc.metro-u.ac.jp) になっています. (最初の一回だけは別のページが 表示される事がありますが, 皆さんの場合は既に何度か使っていますから, そ の様な事はないと思います.) 初回にも解説したように本学でインターネット, PCを利用とする場合とても重要な情報が載っています. システム設定者が本 学での皆さんの便宜を図り, このHPをブラウザのトップページとしています. 常々閲覧し全体の構成を把握しておいてください.
自分が参照したいページを, 直接ブラウザ上部入力欄 (アドレス) に指定しま す. アドレスは URL の形式で表示します. それは, サーバの IP アドレス (名前でも IP 番号でも) の前に [通信規約など (http:// とか ftp:// とか file://)] を, 後ろにその他の付帯ファイル情報 ([~ユーザ名]/[ファイル名]) を付け足したものです ([]内は省略可能). 例えば
など様々な指定方法があります. 2番目, 3番目の指定では最後の"*******/" を省略するとサイトのHPへ, あるいは逆に細かく"/"の後にフォルダ名/ファイ ル名と書き参照できるのを, 経験的に知っていると思います.
お気に入り HP アドレス (URL) を保存 (記録) しておけば, 訪問 (ある HP を開くこと) を再度するとき便利です. ネットスケープは「ブックマーク」, IEは「お気に入り」のプルダウンメニュでその操作ができます. どのブラウ ザでも, そのHP全体の記事を保存しておきたいときファイル → (名前をつけ て) 保存ということもできます. マイドキュメントに入れておけば, 将来そ のページが消されても, あるいは改変されても保存記事そのものが残ります.
すでにWebのどこかにある検索エンジンを駆使して皆さんは日常的に疑問, 難 問, 行き先ルートや地図を Web を用いて解決しようとしているかもしれませ ん. その検索の仕方を少し詳しく説明してみましょう.
検索の使 い方に詳しく
の使い方がのっているのでこれを熟読することを推奨します.
検索方法の解説, 検索の特徴を記した以下のページはとても参考になります.
特徴として, 単に検索結果に該当するページを探し出すのだけはなく, その中 で 人気度 の高いサイトページから順に並べる機能があり, それは googleの人気の 秘密に詳述されています. この人気度をPage Rankと呼びますが, その数学 的原理を解説した論文 (線形代数の知識必要) もあります.
実際に人間の編集者がウェブサイトやウェブページ, その説明文を記述して,
詳細なカテゴリー別に検索エンジンデータベースに登録する.
ユーザーが検索フォームからキーワード検索を行うと, 検索エンジンのデータ
ベースから最適と思われるウェブサイト, ウェブページを, 全て編集者により
登録されたもののみ表示する.
キーワード検索とは別に, 人的に編集されたディレクトリー別にウェブサイト
を探すカテゴリ検索ができる.
ロボットと呼ばれるソフトウェアをインターネットに送り, 自動的にロボット がインターネット上のウェブサイトやウェブページの情報を収集し, 検索エン ジンのデータベースに登録して構築する.
一般に, ある単一のキーワードに関連するページを調べたいときには, ディレ クトリ型が便利な場合が多く, 複数のキーワードが全て含まれているページを 検索したい場合には全文検索型が便利で, また双方を組み合わせた検索エンジ ンもある.
AND検索は, 「keyword1 AND keyword2」のように入力し, 2つのキーワードが ともに含まれるページを見つける. 検索結果を絞り込める. 「keyword1 keyword2」と記すことで自動的にANDを仮定してくれる場合もある.
OR検索は, 「keyword1 OR keyword2」のように入力し, 2つのキーワードのう ちどちらかが含まれるページを見つける. 例えば1つのものに2つ以上の名前 があり, その両方を網羅させたい場合に使える. 「日本放送協会 OR NHK」と 入力すれば, どちらかの名称を同一団体に適用しているサイトを一度に検索で きる.
NOT検索は, 「keyword1 NOT keyword2」と入力. 正式には, keyword1 AND NOT keyword2と記述すべきだが通常ANDは省略可. この検索式では, keyword1 を含むページの中から, keyword2が含まれるページを取り除いたページを見つ け出す. NOTの替わりに「-」 (ハイフン) を使う場合もある.
検索を行い以下の解を得てください.
上の例題の解と, それを得るまでの検索過程を, 簡単 (全角300字以内, 大体 200字程度がベスト) に本文に書いて, 各問毎別々のメイルで送る事. つまり 例えば何かと何かを検索したら, 直接解には至らなかったが, そこで見つけた ヒント語句○○をも利用してサイド検索したら, ようやく目的の情報が得られ たとか. そして最終的に情報を得たサイトのURLも記して ください. またどれとどの検索エンジンを利用したかも. さらに検索設定の 変更をした場合も記述してください. もちろん発信元メイルアドレ スは大学のものとします. 送信先メイルアドレスは授業中に通知した通りで す. 締切は5月11日(木曜日)午前9:00です.
以下の検索を行い解を得てください. 解とともに, 解に至るまでの検索の過 程を解説してください. 提出用実習問題と同じようなものです.
質問, あるいはあやまりなど見つけたら授業担当教員または担当のチュータに 連絡して下さい.
$Date: 2006/03/28 12:14:06 $+ 9:00:00 (JST)